結婚式の後払い交渉術!後払いのメリット・デメリットと交渉のコツ

結婚式の費用の支払いは、4つの段階を踏んで行なうのが一般的です。
最初に払う内金は高額ではありませんが、結婚式が近付く頃には、最終支払いとしてまとまった額を支払わなければなりません。

しかし、結婚式の資金はご祝儀も含むため「できれば後払いにしたい……」と思うカップルも多いでしょう。費用を後払いにすることは可能ですが、後払いにもデメリットはあります。また、結婚式場との交渉にコツがあるので注意が必要です。

そこで今回は、結婚式の費用を支払う手順と3つの支払い方法、後払いのメリットとデメリット、効果的な後払いの交渉術について解説します。

 

【結納から新婚旅行まで】結婚にかかる費用とは

結婚にあたって発生する費用は結婚式だけではなく、結納や婚約指輪、新婚旅行など、さまざまあります。まずは、結納から新婚旅行まで、それぞれにかかる費用の相場を紹介します。

・結納:80万円~150万円
・婚約指輪:25万円~40万円
・結婚指輪:20万円~25万円
・結婚式:250万円~450万円
・新婚旅行(国内):30万円~50万円
・新婚旅行(海外):50万円~100万円

ご覧のとおり、結婚には何かとお金がかかることがわかります。なかでも結婚式は最も費用が高い項目ですが、料理や衣装のグレード、映像などの演出の有無、アイテムの持ち込みなど、工夫次第で費用を抑えることができます。

また、結婚式の費用はふたりだけが負担するわけではなく、ご祝儀や親の援助、職場や自治体からのお祝い金で資金の一部をまかなうことも可能です。結婚式以外の費用はふたりだけで負担するケースも多いので、結婚式の費用は無理なく支払えるように工夫しましょう。

 

結婚式の支払いの流れとは?

結婚式の費用は一括で支払うのではなく、以下の4段階を踏むのが一般的です。結婚式場によって金額や内容が異なるので、契約前に確認しておきましょう。

1.内金

内金とは、結婚式場と契約を結ぶ際に支払うお金です。内金は結婚式場のスケジュールを押さえるという目的があることから、多くの結婚式場で内金の支払いが求められます。

内金の金額は結婚式場によって異なりますが、5万円~20万円が相場です。また、内金を支払うタイミングは結婚式場と正式な契約を結ぶときが一般的ですが、最近ではブライダルフェアの段階で支払う場合もあるようです。
内金は現金で支払うケースが多いので、あらかじめ金額を確認しておくとよいでしょう。

2.中間金

中間金とは、最終支払いの前に支払うお金です。結婚式のおよそ2ヵ月~数週間前までに、見積額の半分程度の支払いを求められます。ただし、中間金がない結婚式場もあるので、仮予約の際に確認しておくことをおすすめします。

3.最終支払い

最終支払いとは、ゲストの人数や利用するアイテムを確定したあとに出る最終見積額から、内金と中間金を差し引いた額を支払うことです。最終支払いのタイミングは結婚式場によって異なりますが、事前に請求書が発行されて結婚式のおよそ10日~1週間前までに持参、もしくは振り込みで支払う場合が多いようです。そのほかにも支払いのタイミングがありますが、詳しくは後述します。

最終支払いでは、数百万円程度のまとまったお金を用意しておく必要がありますので、支払いのタイミングは契約前に確認しておきましょう。

4.当日支払い

当日支払いとは、当初の請求書に含まれるもの以外に、結婚式当日に発生した費用を支払うことです。例えば、ゲストの着付けやメイク、お子さまなどの急なゲストの追加、ドリンクの追加注文、結婚式の時間延長などが挙げられます。

支払い方法には、当日に現金で支払う、または後日に送られる請求書を確認して振り込む、といった方法があります。結婚式場によって対応が異なるので、事前に確認しておきましょう。

 

結婚式の支払いのタイミングはいつ?

先にも少し触れたとおり、結婚式の費用で最も大きな金額を支払う最終支払いは、結婚式場によって支払うタイミングが異なります。結婚式場が指定する最終支払いのタイミングは、以下の3パターンのいずれかになることが一般的です。

前払い

前払いとは、結婚式の1ヵ月前~1週間前までに全額を支払う方法です。多くの結婚式場は前払いの方法をとっており、指定の期日までに口座に振り込むか、または現金で支払います。

ご祝儀を支払いにあてることができないため、あらかじめ費用の全額を用意しておかなければなりません。ふたりで貯金した結婚資金では足りない場合、親から一時的にお金を借りるなどしてお金の工面をする必要があります。

お金を用意する大変さはありますが、前払いで支払いを先に済ませておくと、結婚式当日は支払いのことを心配する必要がなくなります。支払いの義務から解放されるので、結婚式と披露宴を思いきり楽しむことができるでしょう。

結婚式当日払い

結婚式当日払いはその名のとおり、結婚式を終えた時点で全額を支払う方法です。当日払いのメリットは、ゲストからのご祝儀をそのまま支払いにあてられることでしょう。つまり、自己資金に余裕がない場合でも、お金を借りることなく支払いを済ませられます。

ただし、結婚式を終えてから急いでご祝儀を集計し、支払いを済ませなければなりません。新郎新婦は二次会の準備などで慌ただしくなるため、親族に手伝ってもらえるよう頼んでおきましょう。

また、当日に追加料金が発生した場合や、ご祝儀をあてても支払い額に満たない場合に備え、予備のお金を用意しておくことも重要です。

後払い

後払いは、結婚式の翌日以降に全額を支払う方法です。ご祝儀を支払いにあてられるうえに、支払いまでに時間の余裕があるので、お金の用意がしやすくなります。自己資金が少ない方は、できるだけ後払いが可能な結婚式場を選ぶと安心でしょう。

ただし、多くの結婚式場では前払いが主流となっています。後払いが可能な結婚式場も増えつつありますが、大々的にうたっているところはあまり多くありません。そのため、前払いの結婚式場で後払いに変更したい場合は、担当者に後払いへの変更を交渉する必要があります。

 

結婚式の費用を後払いにするメリット

後払いの最も大きなメリットは、ご祝儀を結婚式費用の支払いにあてられることでしょう。自己資金が少なくても不足分をご祝儀でまかなえるため、料理などのグレードを上げたり、演出に凝ったりすることも可能です。前払いでは資金が足りずに諦めなければならないことでも、後払いになると実現できるので、より納得のいく結婚式を挙げられるでしょう。

ご祝儀を支払いにあてられる点では結婚式当日払いも同様ですが、後払いと当日払いとの大きな違いは、ご祝儀を急いで集計する必要があるかどうかという点です。

当日払いは結婚式の余韻に浸る暇もなく、一気に現実に引き戻されてしまうという声もありますが、後払いは結婚式の翌日以降にご祝儀の金額を1つ1つ確認したうえで、支払い額の計算ができます。二次会の準備も慌てることがないので、気持ちに余裕を持てるでしょう。

 

結婚式の費用を後払いにするデメリット

後払いのデメリットは、ご祝儀の金額が予想よりも下回った場合、不足分を自分たちで工面しなければならないことです。

親族や上司、友人などからいただくご祝儀の金額に相場があることは確かです。しかし、相場はあくまでも目安にすぎないため、正確な金額はご祝儀袋を開けるまでわかりません。ご祝儀をあてにしすぎるのではなく、少なめに考えておき、ある程度は資金に余裕を持っておくことも必要でしょう。

また、結婚式が無事に終わっても、支払いのことが気がかりで、気持ちが休まらないことも後払いのデメリットといえます。

 

結婚式の後払い交渉のコツ:クレジットカードが使えるか確認する

多くの結婚式場では前払いの方法をとっていますが、担当者との交渉次第では後払いに変更可能なケースもあります。

まず、後払い交渉をする際は、クレジットカードで支払いができるかを確認しましょう。クレジットカード払いでは、クレジットカード会社から費用が先に支払われるため、結婚式場側には未入金リスクを回避できるというメリットがあります。費用を支払う側も、返済金額の引き落とし期日までに時間の猶予があるため、ご祝儀を支払いにあてられるのはメリットといえるでしょう。

ただし、クレジットカードを利用するときは、利用可能額を確認しておかなければなりません。もし、利用可能額が少なく結婚式費用を全額支払えない場合、一時的に額を増やしてもらう、または複数枚のカードを利用するなどして対処することになるでしょう。

また、クレジットカードは一括払い以外では手数料が発生するので、分割払いを選択した場合は、結果的に費用の総額が高くなります。特にリボ払いは手数料が高いため、きちんと支払っていけるか、あらかじめシミュレーションしておくとよいでしょう。

 

結婚式の後払い交渉のコツ:一部前払いができるか確認する

結婚式の費用を後払いにしたい場合、「一部前払い」が可能か交渉してみましょう。全額の前払いが難しい場合に一部の費用を前払いにして、残額を後払いにする方法です。

そもそも結婚式場が後払いに消極的な理由は、「支払いにあてられるほどのご祝儀が本当に集まるのだろうか」という不安があるからです。当初の予想よりもご祝儀が少なかった場合、結婚式場側は不足分が入金されないというリスクを負うことになりかねません。

一部でも費用を先に支払うことで、「全額を後払いにしたい」と交渉するよりもハードルが下がり、了承してもらえる可能性が高くなります。わずかでも貯金がある場合は、無理に後払いを交渉するよりも一部前払いを検討しましょう。

一部前払いの事例では、費用を半額ずつ結婚式の前後で支払う、後払いが可能な一部の費用のみ後払いにするなど、さまざまなパターンがあります。結婚式場によって規約が異なるので、担当者に確認してみましょう。

 

結婚式の後払い交渉のコツ:契約前に交渉する

結婚式の費用を後払いにするもう1つのコツは、「契約前に交渉する」ことです。

結婚式場側も契約してもらいたい気持ちがあるので、契約前であれば交渉がスムーズに進むでしょう。「後払いがOKなら契約したい」といった交渉方法もありますし、「クレジットカード払いができるか」と提案するのも1つの方法です。

諸々の費用を算出した見積書で契約をすると、規約に同意したとみなされます。そのため、契約後の交渉は一切受け付けない、という結婚式場も少なくありません。契約前に自己資金を洗い出し、前払いが可能か、後払いを交渉するかを決めておくことも重要なポイントです。

そして、先に述べたとおり、結婚式場側は後払いによる未入金リスクを避けたいと思っています。後払いでも安心してもらえるように、交渉の時点で以下の条件を提示してみましょう。

・後払いの支払い期日を自分から提案する
・署名捺印をした文書を作成し、後払いを確約する証拠を残す
・万が一に備えて保証人を立てる

「後払いでも確実に支払ってくれる」と結婚式場側が安心できれば、提案内容を受け入れられる可能性は高くなります。ただし、お互いが気持ち良く契約できるよう、無理な交渉は避けることが大切です。

 

まとめ

結婚をする際には何かとお金がかかりますが、結婚式はそのなかでも最も費用が高い項目です。結婚式の費用は4つの段階を踏んで支払うのが一般的ですが、その費用の大部分を最終支払いで精算します。

最終支払いのタイミングは結婚式場によって異なり、前払い、結婚式当日払い、後払いのいずれかになります。自己資金が少ない場合は、ご祝儀を支払いにあてられる結婚式当日払い、または後払いがよいでしょう。しかし、結婚式当日払いはご祝儀をすぐに計算しなければならないため慌ただしく、支払いという現実に一気に引き戻されるデメリットがあります。
その点、後払いなら支払うタイミングが結婚式の翌日以降になるので、ご祝儀をしっかり確認したうえで費用を支払えるでしょう。

また、多くの結婚式場は前払いが主流であり、後払いに変更するには交渉が必要です。クレジットカード払いや一部前払いを契約前に提案するなど、ポイントを押さえて交渉しましょう。ただし、後払いにできたとしてもご祝儀が予想より少ない場合、不足分を自分たちで支払わなければなりません。ご祝儀は少なめに考えておくか、予備の資金を準備しておくことが大切です。

自己資金が少ない方は、満足のいく結婚式を挙げられるよう、結婚式費用の支払い方法を検討してみるとよいでしょう。

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