結婚後はどっちの姓にする?結婚後の苗字の決め方
結婚後の苗字選びは、新たな家族づくりにおける重要な一歩です。夫婦の価値観や職業、家族の事情など、さまざまな要因を考慮する必要があります。
この記事では、苗字の決め方のポイントや注意点、そしてメリットやデメリットを紹介します。新生活を控えたカップルの皆さん、ふたりらしい最善の選択ができるよう、ぜひ参考にしてください。
目次
日本では結婚後の姓を夫婦で揃えなくてはならない
日本では、結婚する夫婦は、どちらかの姓を選ぶ必要があります。
これは、民法750条において、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」ことが求められており、それを受けて戸籍法74条では婚姻の際に「夫婦が称する氏」を届け出るよう定められているためです。
結婚後の姓の決め方については、個々の価値観や状況によって異なるため、夫婦、または親族で話し合う必要があります。相互の理解を通じて、最適な選択をすることが大切です。
出典:民法|e-Gov法令検索
出典:戸籍法|e-Gov法令検索
結婚後の性は夫婦のどっちにするべき?苗字の決め方を紹介
圧倒的に夫の姓を選ぶ夫婦が多い
平成28年(2016年)に行われた「婚姻に関する統計」によると、結婚の際、女性が夫の苗字(姓)になる夫婦が96%となっており、圧倒的に多いことがわかります。
しかし、昭和50年頃から妻の苗字を選ぶカップルが増えており、「結婚したら夫の姓になるのが当たり前」という常識が徐々に変わってきていることがわかります。
では、どっちの姓にするか、その決め方にはどのような方法があるのでしょうか。
仕事への支障を考え夫婦で相談して決める
結婚後の苗字の決め方は、夫婦それぞれの仕事への支障を考慮して相談することが重要です。結婚後も仕事を続ける場合、苗字は個人のアイデンティティやキャリアに大きな影響を与える要素となります。
まずは、夫婦がそれぞれの仕事において苗字の使用が必要なケースを考えることが重要です。また、個人のブランディングやキャリアのことも考えましょう。
フリーランスや起業家など、個人の名前がブランドとなる職業では、取引先へ覚えてもらう必要もあり、既存の苗字を使用することが一般的です。旧姓をそのまま使用できる場合もありますが、可能である場合と、そうでない場合があります。
どちらかの苗字が途絶えそうな方にする
「どちらかの苗字が途絶えそうな方にする」という考え方もあります。例えば、片方の姓が非常にめずらしい苗字であったり、その姓を持つ家族の数が少ない場合、その姓を選ぶことでその姓を継承できます。
また、苗字が特別めずらしいものでなくても、自分たちがその家を引き継がないと家系が消滅してしまうケースもこれから先増えてくるでしょう。こうした場合は、お互いの希望や家族の意見を尊重し、相談しながら決めることが重要です。
純粋に好きな姓にすることも可能
結婚後の姓について、多くのカップルが悩んでいることでしょう。結婚後はどちらの姓にするのがいいのか、という問いに対して、純粋に好きな姓にすることも一つの選択肢です。
結婚後の姓を変えることで、新たな家族を築く意思表示として、夫婦の絆を深めることができます。また、同じ姓になることで、外部から見たときに夫婦としての一体感を演出することもできます。
一方で、自分の姓を変えることに抵抗を感じる人もいます。これは個人のアイデンティティや家族の伝統に対する思いが関係しています。そのため、結婚後の姓の決め方は、カップルの間での話し合いが大切です。お互いの思いや意見を尊重しながら、最終的な決断をしましょう。
夫婦で苗字を統一する3つのメリット
①家族になった実感を持てる
夫婦で苗字を統一することのメリットとして、「家族になった実感を持てること」があります。結婚というのは、ふたりだけの問題ではなく、それぞれの家族が結びつくことでもあり、苗字を統一することで、よりそうした実感を持ちやすいでしょう。
手続きには手間がかかりますが、相手の姓を受け継ぐことで、相手の家族との絆を深めることができるかもしれません。また、姓を変えることによって、これまでの自分とは違った新たな自分を見つけることができるかもしれませんよ。
②周囲に結婚したことを理解されやすい
夫婦で同じ姓を使うと、周囲に結婚したことを理解されやすいでしょう。結婚したことをすぐに理解してもらえるので、コミュニケーションがスムーズになるメリットがあります。
最近では、結婚しても姓を変えずにそのまま使い続けるケースや、夫婦別姓のために事実婚をするケースも増えていますが、婚姻の際に夫婦で同じ姓を名乗ることが一般的なので、細かな説明も省けます。
③夫婦で新たなスタートを切れる
夫婦ふたりで同じ苗字を名乗ることで、家族になった実感を持ち、周囲にも結婚したことを理解されることで、夫婦としての新たなスタートを切った実感がわいてくるでしょう。
苗字を変えることで、夫婦としての新たな絆を感じることができます。新しい苗字を通じて、お互いの結びつきや結婚生活のスタートを強く意識することができるでしょう。
ここまで苗字を統一するメリットを説明してきましたが、最終的な決断は、夫婦で話し合い、お互いの意見を尊重しながら行うことが大切です。苗字を変えることで、新たなスタートをきることや、夫婦としての絆を感じることによい影響を与えるか、慎重に考えて決めましょう。
苗字を決める際に覚えておきたい3つの注意点
①お互いの両親に相談する
結婚後の苗字を決める際は、お互いの両親に相談することが重要です。両親にとっても大切な問題であるため、彼らの意見を尊重することが大切です。
まずは、自分たちの意見をしっかりと伝えましょう。どちらの姓を選びたいのか、それぞれの理由や思いを述べます。そして、お互いの両親に対しても意見を聞いてみましょう。
両親の意見を聞いた後は、しっかりと話し合いを行いましょう。お互いの意見を尊重しながら、両親にとっても納得できるような選択をすることが大切です。
②夫婦ふたりが納得する性に決定する
結婚後の苗字の決め方は、夫婦ふたりが納得することが重要です。両家の親族に相談し、意見を聞くことで新たな視点が得られると思われますが、最終的な決定は夫婦ふたりが行うべきです。
夫婦の姓をどちらの姓にするかは、個々の価値観や環境によって異なります。お互いの姓の由来や思い入れ、家族の伝統などを共有しましょう。また、苗字をどちらの姓にすることでお互いにどのようなメリットやデメリットがあるのかも話し合うことが大切です。
③姓が変わる側は変更手続きをする
結婚でどちらの苗字にするかの意思は、婚姻届で示します。住民票などはそれに伴って切り替わるため、特別な手続きは必要ありません。
しかし、運転免許証やパスポートなどの姓の変更をしたり、銀行口座やクレジットカードなど、日常生活で使用する各種サービスの登録情報を変更したりする必要があります。また、勤務先でも姓を変更する手続きをしなくてはいけません。
変更手続きには、手間や時間がかかりますが、結婚後の新しい姓を使用するために必要な手続きです。夫婦で協力し、スムーズに変更手続きを進めましょう。
苗字の決め方に関するよくある質問
夫婦で苗字が違ってもよい?
現在(2024年4月)日本では夫婦別姓は認められていないため、夫婦どちらかの苗字(姓)に統一する必要があります。
しかし、結婚してもそれぞれの苗字を使いたいと考える夫婦も増えてきています。昔は夫の姓を継ぐことが普通でしたが、現代では女性の社会進出や多様性の認識の高まりにより、夫婦で苗字が違っていても問題視されない傾向があります。
そのため、「選択的夫婦別氏制度」についての話し合いが進められており、今後制度が変わる可能性もあります。
また、旧姓の通称としての使用拡大の取り組みは以前から行われており、マイナンバーカードや運転免許等に旧姓を併記できるようになっているため、苗字を変更する側の手間は、以前より少なくなっています。
出典:選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)について|法務省
事実婚ってどんなときに選択する?
事実婚とは、法律的な手続きを行わずに、実際に夫婦として生活することを指します。具体的には、婚姻届を提出せずに一緒に暮らし、共同で生活することを選ぶことです。
この選択肢を選ぶカップルには、さまざまな理由があります。結婚に対する考え方が異なるカップルや、宗教的な理由で結婚式を行うことができないカップルが事実婚を選ぶことがあります。
また、夫婦別姓を優先して事実婚を選択するケースもあるでしょう。関係を解消しても戸籍に影響しないことや、相手の家族と距離を保ちやすいといったメリットもあります。
一方で、事実婚の場合、子どもの親権は原則として母親のみです。また、相続権がなく、配偶者控除も対象外となります。賃貸物件や生命保険の契約がスムーズに行かないことも考えられるため、十分な話し合いと検討が必要です。
結婚後の苗字はいつまでに変更するの?
結婚によって、苗字や住所が変わった場合、健康保険やマイナンバーカードなどの登録情報変更手続きが必要です。
国民健康保険やマイナンバーカードは、入籍からの14日以内に変更手続きする必要があります。また、免許証とパスポートには期限が定められていませんが、できるだけ速やかに手続きをしたほうがよいでしょう。
まとめ:納得できる苗字で新生活のスタートを切ろう
苗字の決め方には正解はありません。大切なのは、ふたりで十分に話し合い、互いの価値観を尊重し合うことです。苗字はふたりの新しい絆の証でもあります。
決して軽々に決めるのではなく、親族も一緒によく話し合い、素晴らしい家族の歩みを始められるよう、ふたりらしい選択をしてくださいね。
この記事の著者
スマ婚編集部
スマ婚編集部は、元プランナー、カウンセラーなどのメンバーにて、皆さんのパーティーや、結婚生活の役立つ情報や、最新情報をお届けいたします。InstagramやTwitterでも情報発信をしておりますので、ぜひぜひプレ花嫁さまと繋がれたら嬉しいです。