結婚式会場が決まると、次に考えるのが結婚式のプログラム。「友人の結婚式で盛り上がっていたあの演出をやろう！」と過去に参加した結婚式を参考に決定される方もいらっしゃると思います。しかし、友人の結婚式で盛り上がった演出でも、会場の雰囲気やゲストの人数によっては盛り上がらないこともあります。
「絶対に盛り上がる！」と思って選んだ演出が、当日やってみると意外と盛り上がらなかった……なんてことにならないよう、結婚式のプランニングを行うウェディングプランナー兼、結婚式の当日進行を司るキャプテンも行っており、過去に約500件の結婚式を見てきた、まさに“結婚式のプロ”である髙柳氏に「演出選びのポイント」を教えていただきました。
目次
“結婚式のプロ”ウェディングプランナー兼キャプテン
|
1992年9月のホテル開業の年に入社。 |
人物紹介【フォトラウンド】“少人数結婚式”にこそおすすめ！
「フォトラウンド」とは新郎新婦が再入場をされる際に、各テーブル1卓1卓にまわり、テーブルごとにグループ写真を撮る演出です。ゲストとゆっくり話したい、手作りのフォトアイテムを使ってゲスト全員と写真撮影をしたい、とフォトラウンドを選ばれる新郎新婦が最近増えたように感じます。
このフォトラウンドですが、ゲスト人数が60名以上になる”大人数の結婚式”で行うほうが盛り上がるイメージがあるかもしれませんが、実は”少人数の結婚式”にこそ行っていただきたい演出です。
大人数の結婚式の場合だと、このフォトラウンドだけで20～30分ほどかかることもあります。新郎新婦がテーブルに来て、写真を撮影している瞬間はとても盛り上がるのですが、自分のテーブルに主役の二人がいる時間はほんの1～2分。残りの時間は演出が終わるのを待つことになります。新郎新婦がいるテーブルだけ盛り上がり、会場全体に一体感がなくなってしまうこともあります。
しかし、家族だけ、親族だけ、など、新郎新婦の身近な人だけを呼んで行う”少人数の結婚式”ではテーブル数もさほど多くなく、最高でも4卓くらいまでとなります。ゆっくりゲストと話しながら各テーブルを回っても、かかる時間は10～15分ほど。演出が終わるのを待つ時間は”大人数の結婚式”に比べてとても短くなります。また、身近な人ばかりであれば、他のテーブルが撮影を行っているときの様子を見て盛り上がることもあり、自然と会場全体の一体感が出ます。
少人数の結婚式において“フォトラウンド”は暖かい雰囲気づくりをする演出にはぴったりだと思いますよ。
【ムービー上映】上映時間は5分以内がベスト！
新郎新婦のプロフィールムービーやエンドロールムービー、またゲスト様が新郎新婦に内緒でご準備されるサプライズムービーなど、結婚式にはつきものである「ムービー上映」。最近では、ご自宅でも簡単に作成できるようになり、皆さん工夫を凝らして様々な内容で上映をされます。会場中にたくさんの笑いが生まれたり、結婚式当日に参加できなかった人たちが映像内に表れて新郎新婦が涙したりと、結婚式を彩るにあたっては非常に大切なアイテムですが、このムービーの上映時間は“5分以内”が1番おすすめです。
理由①：他の演出も楽しんでもらうため
披露宴は、2時間～2時間半という短い時間の中で、入場からはじまりケーキ入刀やスピーチ、乾杯の挨拶、お色直し、友人の余興、花嫁の手紙など、たくさんのイベントを進行します。分刻みでイベントが進行する中で、10分～15分ほどの映像を上映すると、新郎新婦が希望する他の演出を我慢していただく場合がございます。これは新郎新婦にとっても、ご友人の方にとっても気を付けていただきたいポイントです。
理由②：料理を楽しんでもらうため
もう一つ、イベントと同時に進行している大事なものがあります。それは、ゲスト様の結婚式の楽しみの一つでもある「コース料理」です。
「コース料理」というのは、いつもは食べないけれど、こんな時だからこそ召し上がる方も多いと思います。結婚式場ではゲスト様に料理を、目でも楽しんでもらえるよう飾り付けに工夫をしています。
しかし、ムービー上映の際には照明を落とし、会場内を暗くします。そのような中で食事をすすめる訳ですが、せっかくおいしい料理を食べているにも関わらず、会場が暗いために料理の色を楽しめない……なんてことがあります。
素敵なお料理をゲスト様にしっかり楽しんでいただくためにも、ムービーは長くても5分ほどに収めると良いと思いますよ。
【スモーク演出】ノリの良いゲストが多いパーティー向け！
ライブ会場のようにライティングがきれいに映る「スモーク演出」。ノリの良い、若いゲストが多いパーティーにはぜひおすすめの演出です。舞台演出などで使用されることが多く、非日常な雰囲気を演出できるため、会場全体で盛り上がっていただくことができます。スモーク演出が可能な会場が限られているので、比較的ホテルの結婚式で行われることが多いように感じます。
ただ、ご年配のゲスト様が多い披露宴の場合は、少し注意が必要です。
新郎新婦の入退場時に使用することが多いスモークですが、新郎新婦は立って歩いているので、お顔付近にまでスモークが舞い上がることはあまりありません。しかし、新郎新婦の姿を座ってご覧になられている、ゲスト様のお顔付近までスモークが舞い上がることがあります。お若い方ですと、そこまで気になさらず盛り上がっていただけると思いますが、ご年配の方の場合はむせてしまう場合もございます。
また、食事をメインに楽しみたいと考えていらっしゃる方ですと、スモークが料理にかかることを良く思われないこともあります。友人席では盛り上がっても、親族席ではあまり盛り上がらない……と、会場内で温度差ができてしまうこともあります。
ご年配のゲスト様がいらっしゃる場合は、そのテーブルから離れた場所でスモーク演出を行うようにすると良いかもしれません。また、ゲスト全員が若い方であったり、演出を楽しみにしているノリの良いゲストが多い場合にはとてもおすすめの演出ですよ。
【お子様演出】たっぷり時間を取っておくことが成功の鍵！
挙式の際に新婦様のベールを子どもが持ったり、リングピローを運んでもらう役割のリングガール＆リングボーイを立てたりと、子どもが活躍する演出を結婚式の中で行うと、会場の雰囲気が和み、自然と会場中に笑顔が溢れます。後々子どもが大きくなって結婚をするときがきたら、一緒に写真を見返しながらいろんな話をする姿を想像すると、すごく素敵ですよね。
そんな素敵なお子様演出ですが、「たっぷりと時間を取っておく」ことが成功のポイントとなります。
年齢にもよりますが、子どもは大人とは違い「状況を判断して行動をする」ことが難しく、進行が思い通りに進まない場合があります。特にまだまだ小さいお子様ですと、新郎新婦の意向が分からなかったり、演出のタイミングで寝てしまったり、だだをこねて泣いてしまったり、オムツ替えでいなかったり……と、思い通りにいく場合は少なく、進行が止まってしまうこともあります。
もし子どもが活躍する演出を行われるときは、十分に時間をとり、余裕をもったプログラムを組んでおくと成功につながると思います！
最後に……結婚式のメインは「ゲストと過ごす時間」
一生に一度の結婚式ですから、自分のやりたい演出を思いっきり楽しむことも大切だと思います。しかし、送賓のときによく「新郎新婦ともっと話したかった」というお声も聞くように、ゲスト様はお二人と話す「歓談の時間」を楽しみにされている方が多いように思います。
自分がやりたいと思う演出に優先順位をつけ、お二人に会いに来てくださったゲスト様と話す時間が多くなるような披露宴にすると良いのかなと僕は思いますね。
【取材協力】
約1200点もの絵画や調度品が並ぶ美術館のように贅沢な空間。都会の中でオアシスを感じられるホテル イースト21東京にしかない魅力でおふたりの晴れやかな門出を創り上げます。
ホテル イースト21東京
TEL：03-5683-0521