先輩や上司に一度くらいは言われたことはありませんか? 「そんなにすぐに上手くできるようにはならないよ」と。あれほど口うるさく言われているはずなのに、恋愛になるとどうしてそれができなくなってしまうのでしょう。
もう幾度となく耳にしたはずです。失敗は成功の母だ、と。最初から上手くいく人なんていないんだから、失敗する前提で、どうしたら上手くのかを考えなさい、と。
まずはビジネスの現場でイメージしてみましょう
あなたはある部署の新人の教育を任されることになりました。あなたが5年間続けてきて、ようやく一人前に成果を上げられるようになった仕事です。簡単にできるようになる仕事ではないことを知っています。
今年、新たに二人の新人の面倒をみることになりました。一人は要領の良さそうな、割と器用になんでもこなせてしまうタイプのA君。もう一人は不器用でなかなか教えたことがすぐに反映されないタイプのBさん。ぱっと見はA君の方がすぐに結果を出しそうです。
しかし何ヶ月か一緒に仕事をしてみるとその人の本質が見えてくるようになります。A君は確かに要領は良いのですが、なんでもできる(と本人は思っている)ぶん、今以上のクオリティーを求めようとしません。とにかく失敗を嫌い、新しいことにチャレンジしようとしません。
一方のBさんは、最初こそ鈍臭かったものの、自分が器用ではないと知っているからこそ、誰よりも努力し、勉強し、失敗を糧に同じミスをしないように工夫を重ね、明らかに入社したての時とは様子が違います。
現段階では、確かにまだまだA君の方が仕事ができます。社内でもA君の方が評価が高いようです。でも、二人を指導しているあなたは容易に想像できるはずです。5年後にどちらが仕事ができるようになっているのかを。
過去、何世代にも渡って、何人もの人が「その仕事」ができるようになるまでに、ものすごい時間と労力をかけたのが、「恋愛という仕事」なのです。それがたかだか30年くらいの経験で、すぐに上手くできるようになるのでしょうか? そんな新人をみたら、先輩に怒られると思いませんか? 「どうして失敗しない前提で取り組んでるんだ?」って。
失敗をした人の方が良い恋愛ができる
一度失恋をしたぐらいで、次の恋をするのが怖いという人。傷つくのが怖い、嫌われるぐらいなら好きになるだけ無駄だという人。考えてみてください、あなたは一体何人の方とお付き合いをしてきたというのでしょうか。
異性との交流経験が少ない人が、どうしたら最初の2、3人で幸せオーラ全開のお付き合いができるようになるのでしょうか。初恋の相手とラブラブになっている人も確かにいます。でも、おそらくそれはたまたまです。
そういう人は今の恋人と別れることになったら次の恋愛に困ることでしょう。なぜなら、その人は元恋人の攻略法しか知らないからです。上手くいかなかった経験をたくさんした人のほうが、結局はうまくいくと思いませんか?
またせっかくお付き合いできたのに、すぐに別れ話になり長続きしないという人。思っていたのと違った、付き合ってみたら嫌なところが見つかった、気持ちはわかりますが、それって当たり前だと思いませんか? なぜならその人とあなたの関係性は始まったばかりなのですから。
確かに、特に恋愛に悩みもなく、たまたま付き合えた人と楽しそうにやっている人もいます。ですがそういう人は、その相手と別れた後に苦労するのです。最初の恋愛で楽した人は後の恋愛に困り、最初の恋愛に苦労した人は、後の恋愛が楽になります。遅いか早いかの違いです。いずれにせよ、全ての人が「いきなり上手くいくなんてありえない」のです。
Bさんだって最初は思うように結果が出なくて投げ出したくなるような気持ちになっていたことでしょう。でも愚直に真面目に取り組んできました。その結果、5年後くらいにようやく力がついてくるのです。
であれば、あなたの恋愛だって、傷ついて悔しい思いをして、そうやってだんだんいい恋愛になってくのではないでしょうか。結果的に、最初から器用にできる人よりも、たくさん傷ついた人の方がいい恋愛ができるのです。
そう考えると、恋愛もビジネスも一緒だと思いませんか?