先輩や上司に一度くらいは言われたことはありませんか?「For me(私のために)ではなく、For you(あなたのために)の精神が大事だよ」と。あれほど口うるさく言われているはずなのに、恋愛になるとどうしてそれができなくなってしまうのでしょう。
もう幾度となく耳にしたはずです。愛は求めると手に入らないが、与えると手に入る、と。世の中はギブアンドテイクではなく、ギブアンドギブなんだよ、と。
仕事でも同じ。常に相手のためを思え。
ビジネスの世界でも、自分の利益を第一に考える人は売れないですし、逆に相手の利益を最優先に考える人は、巡り巡って最終的にはどんどん売れていきます。
恋愛の世界では、ビジネスの世界ほどお金に直結しないため、「For meかFor youかの違い」はそこまで明確に現れてこず、自分がどちらかのマインドで接しているのか判断がつきにくいものです。
そのため、自分のした行動が結局は自分のためなのか、本当に心から相手のことを思いしたことなのか、自分でも判断がつかないかもしれません。しかし、唯一自分が「与える側」に行っているかどうかを見極める方法があります。
それは「どうして報われないのかな?」という気持ちが出てきているかどうかです。「こんなに頑張っているのに…」「こんなに尽くしているのに…」という自分を正当化するような思考になった時には、もうすでに「与えられること」を期待してしまっている証拠です。
恋愛の現場でもFor meマインドは淘汰される
居酒屋でのサラダをみんなの分をお皿に取り分ける、という行為一つ取っても、「この人は気がきく人だと思われたい」(For me)と考え取り分ける人と、「みんな会話に盛り上がっているから、会話を途切らすことなくご飯が食べられるように取り分けておこう」(For You)と考える人に分かれます。
この時、「For me」でものを考える人はいずれ「なんで気のきかないあの子ばっかりモテるのよ!」と憤慨することになり、「For you」でものを考える人は「あぁ、みんなが楽しんでくれてよかった」と笑顔を振りまくことになります。
最終的にどちらが良い結果になるのかは、想像に難しくないはずです。同じ行動をとっても「どんな気持ち(動機)を発端にした行動なのか?」によって、その行動の及ぼす影響は全く異なるのです。
例えば「前回は俺がデートコース決めたから、今度は〇〇ちゃんが決めてよ」「いつも私が心配してあげているのに、彼は私のことをほとんど気にかけてはくれない」そんなことを恋人に対して思ったことはありませんか?この時、気持ちは自分にベクトルが向いています。
しかし同じ状況にあっても「今回のデートコースはどんなのにしたら喜ぶかな?次回は?またその次は?」と日々思考し、自分が元気がない状態であっても相手のことを「いっちょ慰めてやるか!」と思える人もいます。この時、気持ちは相手にベクトルが向いています。
この善意の終着点が「自分にあるのか」「相手にあるのか」の違いこそが、For meとFor youの違いなのです。
人間ですから「もらいたい」と思うのは当然のことです。しかし、もらいたいと思えば思うほどに、不平や不満が募ります。それではいつまで経っても愛されるヒトにはなれません。
シンプルに自分が利益を得たいなら、まず相手に利益を与える。自分が愛をもらいたいなら、まず相手に愛を与える。
そう考えると恋愛もビジネスも一緒だと思いませんか?