先輩や上司に一度くらいは言われてことはありませんか?「顧客のニーズを正確に把握せよ」と。あれほど口うるさく言われているはずなのに、恋愛になるとどうしてそれができなくなってしまうのでしょう。
もう幾度となく言われているはずです。聞き上手になりなさい、と。自分の話をするのではなく、相手の話を聞くことこそが、相手の心を開く唯一の方法だ、と。
物を買うときに、こんな経験をしたことはありませんか?
まずビジネスの現場でイメージしてみましょう。あなたが洗濯機を買いたいと思って、量販店に行きます。あなたはどれにしようか迷っています。そこのお店の販売員さんが熱心に接客してくれています。
A社の販売員さんは、とにかく知識が豊富です。「こちらの製品は、他のものと比べてどこどこが優れています。一方で値段が高いのがネックです。一方こちらの製品は、機能としては云々かんぬん……」全ての会社の製品の特徴・機能をソラで言えるんじゃないかってぐらい、熱心に説明してくれます。
B社の販売員さんは、とにかく質問をしてくれます。「洗濯機の置ける大きさは?乾燥機能は必要ですか?ご家族は何人で、ご主人の仕事は移動が多く汗をかきやすいですか?子供は運動が好きで服がよく汚れますか?」私の一日の生活を丸裸にされるんじゃないかってぐらい、熱心にヒアリングしてくれます。
そして最後に提案されます。「こちらの製品がBESTですよ!」あなたはどちらの販売員から洗濯機を買いたいですか?
恋愛に置き換えて考えてみよう
例えば、初デートの日。ゆっくり休みをとって、デートプランも完璧。きっちりオシャレに決めて、満面の笑顔で出迎える。ここまでは最高です。でも、話してしまうんです、自分の話を。違うんです。相手はあなたの話を聞きたいんじゃないんです、自分の話を聞いて欲しいんです。
「今の仕事は何してるの?それってどんな仕事なの?過去にお付き合いした人はどんな人だった?何がきっかけで別れることになったの?お休みの日は何してる?その趣味の魅力ってどんなところにあるの?……etc」
聞けば聞くほど、相手はじゃんじゃん話してくれます。嬉しそうに、楽しそうに。それをあなたはウンウン、と頷いていればいんです。デートのあいだずっとです。話してる時間は相手が8割、こちらが2割。
家電量販店の店員さんのように、丁寧にヒアリングをしていけば、相手が異性にどんなコミュニケーションを求めているのかが見えてくるはずです。「この人はこんなことを求めているんだな」と予想がつけば、何を話したらいいかもわかりますし、どの洗濯機をオススメするか、すなわち自分のどんな部分を見せて行くか?もわかるようになるのです。
相手の話を聞くことによるメリット
まず、相手のニーズを掴もうとすることは、いろんなメリットがあります。
例えば、初めてのデートで相手の話を聞くことに注力すると、女性なら「今日は自分が話してばっかりだったから今度はあなたの話を聞かせて」と言ってくれますし、男性なら「この子は自分の話をたくさん聞いてくれるいい子だな」と思ってくれるので、ほぼ間違いなく、ニ回目のデートに繋がります。
ただし、ここで油断せずに2回目のデートも相手が6割、自分が4割、常に相手の話をきいてあげてください。いつだって、どんな時だって、相手がゲスト、こちらはホストのつもりで接してみてください。
こちらの話は相手が質問して来たら答えればいいんです。その質問に答えることこそが、相手があなたにしてほしいコミュニケーションだからです。
あなたが話したいことは、往々にして相手が聞きたいことではありません。そこを間違うからコミュニケーションが上手くいかないのです。相手のニーズがわかった上で話をした方が、上手くいく可能性が格段に上がるのです。
そう考えると、恋愛もビジネスも一緒だと思いませんか?