みなさんはなぜ結婚式をしたいと思いますか?
ウェディングドレスを着たいから。育ててくれた親に晴れ姿を見せたいから。
結婚式をしたいと思う理由は人それぞれ違い、その想いや背景も様々です。筆者がこれまで担当させて頂いた結婚式も一つとして同じものはありませんでした。
ここ最近では結婚式の形式も多様化しており、写真だけ挙式だけの結婚式という人から結婚式をしないという人もいます。ただ、結婚式だからこそ普段はできないことができたりするものです。筆者自身、結婚式を機に大きく変わったことがありました。
今回は筆者自身の結婚式エピソードを少しお話したいと思います。いや、特に興味ないよという人はすっ飛ばしてくださいね(笑)。
結婚式をしたい唯一の理由
筆者は5年前にレストランで結婚式を挙げました。
実は筆者自身は絶対に結婚式がしたい!というタイプではなかったのです。よく担当させて頂いた新郎新婦様には「たくさんの結婚式を見ているので、自分の結婚式はやりたいことがたくさんできちゃいますね~」なんて言われていましたが、たくさんの結婚式を見ていた分、もうお腹いっぱいの状態で自分は特にしたいこともなかったのです。ウェディングドレスもお仕事で試着させてもらったことがあったので、なおさらかもしれません(笑)。
ただ、筆者は結婚式をしたいと考えていた理由が一つだけありました。それが「花嫁手紙」です。
結婚式の終盤に読む花嫁手紙。この手紙のシーンでは会場みんなが涙したり、感動するシーンの代表と言ってもいいかもしれません。筆者にとってはこの花嫁手紙が人生の中でとても大きなものだったのです。
素直に言えない感謝の言葉
自分の両親に感謝の気持ちを伝えるって、簡単なことでは?と思う人も多いのではないでしょうか? 筆者も2児の母になった今、普段からありがとうくらい言いなさいよと思います(笑)。ただ、恥ずかしながら筆者は結婚をするまでそれができませんでした。
筆者は学生時代のいわゆる反抗期に両親との関係をこじらせてしまい、同じ家に住んでいたにも関わらず約5年間まとも両親と話した記憶がありません。そのまま避けるようにして高校卒業と同時に家を出ました。なので、両親に対して「ありがとう」「ごめんなさい」と言った当たり前の言葉を言わないまま、月日だけが過ぎていたのです。
ただ自分自身も歳を重ねるごとに、両親への感謝と申し訳なさの気持ちが膨らんでいきました。何より反抗期とは言え、両親に対してひどい態度を取っていた筆者を見放すことはしなかった両親に対して今も頭が上がりません。けれども頑固な筆者は恥ずかしさもあり、今更改まってお礼を言うことも謝罪することもできませんでした。
そんなときにウェディングプランナーの仕事に就き、結婚式を見ている中で自分も結婚式だったら少しは素直になれるんじゃないか?と考えるようになったのです。
結婚式を通じて変わったこと
いざ婚約をして、旦那様が筆者の両親への想いを知っていたこともあり結婚式はとんとん拍子に決まっていきました。筆者自身が結婚式をして良かったと思うことの一つは、結婚式の準備期間中に改めて自分自身の人生を振り返ることができることです。一つ一つを思い出しながら準備を進めていくからこそ、より両親への感謝の気持ちも強くなりました。
筆者は花嫁手紙に一番の重きをおいていたので、結婚式の1ヶ月前くらいには花嫁手紙を書き始めて何度も書き直しましたね(笑)。手紙を書くなんて何年もなかったことなので、いざ書いてみると全くまとまらず……。ただ書きながら色々な思いが込み上げてきて、人生の中できっと内容を忘れることがない手紙だと思います。
結婚式当日、予定通り無事に花嫁手紙を読むこともできました。
ただそれだけのことでしたが、筆者にとってはこの手紙が人生の中でとても大きな出来事となり、結婚式をきっかけに両親に少しだけ素直になれるようになった気がします。今までは電話をすることさえもなかったのに、週に1回は電話をするようにもなりました。
また筆者は自分の結婚式で初めて自分の父親が泣いている姿を目にしました。筆者自身も2児の母になり、このときの両親の想いが少しだけわかるようになった気がします。両親も結婚式を通して、子育ての時期を振り返っていたのだと思います。ちなみに今となっては、両親も魔の反抗期時代は大変だったと笑いながら話していますが(笑)。
筆者は結婚式をして良かったと心から思っています。何より結婚式は目に見るものだけでなく、目に見えないものを伝えたりすることもできる場です。
結婚という人生の節目に改めて自分自身の人生を振り返ってみてはいかがでしょうか? 結婚式という形でなくても、せっかくの機会ですからこの時にしかできないこともあるかもしれませんよ。