元彼以上に好きな人と出会える気がしない。なぜ、あんなに素敵な人と別れてしまったんだろう。そう思いながら次の恋愛になかなか進めない人がいます。
「過去を後悔してもどうしようもないことはわかってるんだけどね……」の語尾に含まれている「けどね……」の部分のお気持ちは非常によくわかります。過去にうまくいっていたことがあるのだから、また同じような人に出会えればうまくいくはずだと思いますよね。
ただ、この発想、びっくりするくらいうまくいかないんですよね。
スポーツ選手はなぜスランプに陥るのか
ところでいきなりですが、スランプってなんで陥ってしまうのか知っていますか? もちろん原因は一つではないのですが、多くの場合“今まで普通にできたことができなくなってしまった時”に陥りやすい傾向にあります。
例えば、いつも同じフォームで同じようにバッターボックスに入って、いつもと同じようにスイングしているのにもかかわらず、打率が明らかに下がっている野球選手の心理を想像してみてください。
「あれ、自分はいつも通りなハズなのに、今までと同じ結果が出ないな? なぜだろう」と不思議に思い、“過去はなんでうまくいっていたのか?”を追求したくなります。この瞬間にスランプが始まってしまいます。
なぜなら過去に解決策を求めているからです。
どんなに変わっていないと思っていても、自分は確実に変わっている
ここで見落としていけないことは、過去の自分と今の自分は、明らかに違う自分になっている、ということなのです。
スポーツ選手で言えば、筋肉量・柔軟性・運動機能などは、歳をとることによって確実に変化しています。そこで今までと同じ型でスイングしても、体の機能が落ちているので結果は落ちるわけです。
恋愛も一緒です。過去に理想の彼氏と付き合えた時と今の自分は、年齢・考え方・価値観・見た目などなど、細胞レベルで言えば同じものなど一つもないのです。その変わった自分のまま過去の成功パターンを真似したとしても、『出会い』のフェーズからうまくいかない、という事態が起こってしまうのです。
その結果、「彼以上の人は現れないの」(=昔はあんなにうまくいったのに!)という一種の諦めになってしまうのです。そうなったら恋愛というスポーツからは引退するしかありません。
答えは過去にはなく、いつだって今と理想との差にしかない
では、どうしたら彼以上の人に出会えるのでしょうか? それは一切過去を省みないということが必要になります。そして自分が『今』どういう状態にあって、『未来』どういう状態になっていたいのかを明確に、そのGAPを埋めるための今までと明らかに違う作戦を実行するしかありません。
過去にうまくいっていようがいまいが、そんなことは未来の自分には関係のないことなのです。元彼以上に好きな人に会いたいのであれば、「そういう人はどんなところにいて、どんな女性が好きで、どんな趣味趣向をしている人なのか? どうしたらそういう人と今の自分は付き合えるのか?」に頭を使うしかないのです。
そうして考えついたアイデアを実行する。これしか、スランプから抜け出す方法はありません。イチローが打率を高く維持できるのは、“自分の変化に繊細だから”です。だからこそ違和感に気づくのも早く、常にバッティングフォームを更新し、打ち方や体づくりを微調整しています。
過去の成功事例に引っ張られるとイマの改善を怠ってしまいます。現状を打破するポイントは過去にはなく、いつだってイマと未来との差にあるのです。