何かと巷で聞く【著作権】や【JASRAC】という言葉。最近では宇多田ヒカルさんがこの問題に発言したことや音楽教室に対しての使用料徴収が決定するなど音楽業界だけではなく、結婚式においてもまたこの問題が話題となっています。
結婚式場で新郎新婦を紹介する楽曲付きの映像などを制作する事業をしながら著作権料を支払っていないとして、日本音楽著作権協会(JASRAC)は9日、映像制作会社「ビデオソニック」(さいたま市)を相手取り、JASRACが管理する楽曲の使用禁止と損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしました。結婚式向け映像の制作会社に対する提訴は初。
同社は新郎新婦から制作対価を受け取り、JASRACから許諾を得る必要があることを認識しているにも関わらず、長期にわたり大規模な無断複製行為を行っている――とJASRACは指摘。同業他社の多くはJASRACと契約し、使用料を支払っているが、同社はJASRACの請求に応じなかったためやむを得ず提訴したという。
著作権法では、著作物を私的に利用する場合は著作者の許諾を得る必要がないと定めている。JASRACは、結婚式が私的なものであっても、ブライダルコンテンツ制作企業は営利目的であり、「私的使用のための複製には該当しない」と指摘。使用料を支払う必要があるとしている。
【引用元:産経ニュース(http://www.sankei.com/affairs/news/170309/afr1703090037-n1.html)】
目次
JASRACとは
一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)の英語表記は、「Japanese Society for Rights of Authors, Composers and Publishers」です。 表記にありますようにJASRACは、国内の作詞者(Author)、作曲者(Composer)、音楽出版者(Publisher)などの権利者から著作権の管理委託を受けるとともに、海外の著作権管理団体とお互いのレパートリーを管理し合う契約を結んでいます。
http://www.jasrac.or.jp/profile/intro/index.html
今回の問題のポイントは【著作権】です
結婚式で音楽CDなどからBGMを流す行為には、著作権の中でも、複製権と演奏権という2つの権利が関係してきます。
演奏権
音楽を演奏するために必要な権利。CDから再生する場合も、著作権法上は演奏にあたる(複製ではない)。
複製権
音楽を複製(コピー)する権利。購入したCDをパソコンに取り込んだり、編集(トリミング)などで一部の部分だけを別のCDにコピーするために必要。
これまで結婚式では著作権問題に対して非常にグレーな状態でしたが、それらの問題を解決するため、2014年に【ISUM】が誕生します。
ISUMとは
結婚式で利用される市販CD音源の著作権の権利処理と権利料の支払処理をオンライン上で簡単に出来るシステムを提供し、ブライダル業界の関係者が適法に楽曲を利用出来る環境を創ることによって、ブライダル業界と音楽業界の間に「ウィン・ウィンの関係を構築する」ことを目的として設立されたのが「一般社団法人 音楽特定利用促進機構」(英語表記:Initiative for Special Uses of Music略称:ISUM=アイサム)です。
結婚式での音楽の使用には”手続き”が必要
結婚式や披露宴で行われる次の3つの行為は、著作権と著作隣接権についての手続きが必要です。
1.結婚式や披露宴で流すBGM用にお気に入りの楽曲を集めて一枚のCDに収録する
2.プロフィールムービーなど、当日会場で上映する映像作品に音楽を利用する
3.結婚式や披露宴を撮影した記録映像に、会場で使用したBGMなどの楽曲とともにDVDに収録する
これらの手続きをISUMでは代行して行ってくれます。
利用する式場や映像演出・記録撮影会社がISUMに事前登録して手続きを行っていれば、個人で行う必要はありませんので、事前に「著作権の手続きが行われているか」を確認しましょう!
式場によってこの問題に対して運営方針は異なるので、担当のウェディングプランナーにあらかじめ相談しましょう!
また、著作権フリーの楽曲の中に気に入る楽曲が存在するかもしれませんので一度視聴してみるのもいかがでしょうか。