20代も半ばに差し掛かってくると、だんだんと結婚式に参加する機会が増えてきます。参加するとなったら、ご祝儀を持って行くわけですが、冠婚葬祭のこういったお金のことって、ちょっと難しいですよね。何度も出席している人でも、きちんとしたマナーを知っているという人はそんなにいないはず。
大人として知っておきたい、ご祝儀にまつわるアレコレをご紹介します。
目次
ご祝儀を用意する時に注意すること
結婚式のご祝儀は「新札」を用意する
お祝いごとなので、しっかりとした新札を包むようにしましょう。これは「結婚を心待ちにしていた」という気持ちの表れになります。貰った方も新札の方が、気持ちがいいですよね。銀行や郵便局で、早めに新札に両替してもらいましょう。新札が用意できなかったという人は、式場によってはフロントで対応してくれるところもあるので、確認してみてください。また、コンビニのATMでは万札の在庫数の関係で、新札が出やすいようです。最終手段として使えるかも知れませんね。
ちなみに葬式の香典は反対で、新札を包むことはNGとされています。結婚と葬式のマナーは、基本的に逆になることが多いです。
お札の向きは肖像画の向きで確認
お金を入れる時の向きにも気を付けるようにしましょう。まず、お札の肖像画が描かれている方が表になります。そして、ご祝儀袋の表側にお札の表側(肖像画が描いてある方)が来るようにします。最後に全てのお札の向きが揃っているか確認するようにしてください。小さいことですが、しっかりできていれば相手に良い印象を与えます。
一番気になる"金額"のはなし
結婚式のご祝儀で一番迷うのがいくら包むべきなのか、という問題です。
まず、マナー的な話をすると、昔から一般的に「偶数」の金額を包むのは良くないとされてきました。「割り切れる」が「別れる・離婚する」などを連想させるからですね。また、4と9も「死」や「苦」を連想させるため、あまり良くありません。ただし、2はペア(一対)と考えられ、8は末広がりで縁起が良いので偶数ですが包んでもOKです。そうなると必然的に金額は何となく決まってきますよね。10万円以降はそこまで気にする必要はないと思います。続いて一番気になる金額についてお話します。
関係性から見るご祝儀の相場
金額を決めるうえで大切な要素一つ目が新郎新婦との関係性です。近しい親族であれば包む額も大きくなります。そして、新郎新婦よりも立場が上の人であれば、額も大きくなります。
下に「一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会」が行った調査を載せます。
出典(https://www.zengokyo.or.jp/activity/report/search/wedding-gifts/result/)
「兄弟姉妹」「叔父叔母」を除き、包む金額で一番多いのは3万円です。一般的なゲストであれば、3万円を包んでいくのが相場ということになります。料理単価が大体1~2万円、そして引き出物が6千円程度ということを考えると、妥当な金額と言えます。
基本を3万円として、友人関係であれば親密度、勤務先では上下関係を考慮して金額を設定すると良いと思います。
年齢で見るご祝儀の額
ご祝儀の額を決める大切な要素2つ目が年齢です。平均額は当然年齢が高くなるにつれて大きくなります。基本は3万円ですが、社会人1~2年目の方であれば2万円を包む方もいます。もし、2万円を包むのであれば、1万円札1枚+5千円札2枚として渡すと良い印象を与えます。
出典(https://www.zengokyo.or.jp/activity/report/search/wedding-gifts/result/)
年齢別に見ても最も多い額は3万円ですね。勤務先や友人関係であれば、そこまで年齢を考慮する必要はないということです。親戚関係になると、年齢が高くなるにつれて、平均額は高くなっていく傾向があります。
夫婦で渡す場合
夫婦揃って結婚式に出席し、同じ袋でご祝儀を渡すことがあります。一緒に渡すからと言って、二人で3万円渡すのはあまり良くありません。では、二人の金額の倍の6万円を渡すかと言ったら、これは偶数なので良くないです。実際に渡す金額で一番多いのが5万円です。二人で5万円はちょっと少ないと思った方は、5万円にプラスして1万円程度の贈り物をすると良いでしょう。
欠席する場合
結婚式に招待されても、予定があって出席できないこともあると思います。そういう時に送るご祝儀の相場は、"出席していたら包む予定だった額の2分の1~3分の1程度"とされています。3万円だったら、1万~1万5千円ということですね。1万5千円はキリが悪いので、1万円か2万円、もしくは1万円に何か品物を添えて送ると良いでしょう。
ただし、自分の結婚式にすでに招待してご祝儀をしっかり頂いている場合は、その額を渡した方がいいです。これは個人の気持ちの問題ですが、自分が頂いた金額はしっかりとお返しするというのがマナーだと思います。
ご祝儀袋のマナーが知りたい!
結婚式で「蝶結び」のご祝儀袋はNG!
ご祝儀袋の飾り部分である水引きには「結び切り」と「蝶結び」という2種類の結び方があります。日常的に使っている蝶結びは何度でも結び直せてしまいますよね。そのことから基本的には一生に一度しかない結婚式では、縁起が悪いとされています。
そこで「結び切り」のご祝儀袋を選ぶことが基本になります。
中身の額に合わせてご祝儀袋を選ぶ
ご祝儀袋は中身の額に合ったものを選ぶのがマナーとされています。ものすごく豪華なご祝儀袋の中身が、1~2万円だとがっかりされてしまいます。逆に10万円の金額が入っているご祝儀袋が安っぽいのも失礼です。
3万円でしたら水引を「あわじ結び」にしたものを使用するのが一般的です。水引の色は金銀でも紅白でもOKです。
ご祝儀に関するトラブル
中身が入っていない!
ご祝儀の入れ忘れは結構ある話。ご祝儀袋の表書きに名前を書き、中袋にも金額と住所をきちんと書き、これで一安心とお金を入れずに持って行ってしまう人がいるのです。また、中袋に書かれた金額と中身の金額が一致していないことも。多ければまだいいですが、少ないと失礼にあたるので注意しましょう。
自分が渡した金額より少ない!
一般的には、以前ご祝儀を頂いたことがある人には同額を返すべきと言われています。「決まり」ではないのですが、それを気にする人は意外と多くいます。気持ちのお返しなので、その後の付き合いを考えても同じ金額を返すのが妥当です。
思った以上にご祝儀が少なかった!
結婚式は一人当たりのご祝儀3万円を想定して内容が決められることが多いです。20代前半の人ならまだしも、30代の社会人がご祝儀をケチるのは良くありません。新郎新婦の負担になるので、相応の額を包むようにしましょう。
相場を超えた額を一人だけ包んでしまった!
「知人の結婚式に呼ばれ、全く相場が分からず5万円を包んでいった。あとで友人と話をしたら、自分だけ多く払っていることが判明した。」なんてことにはなりたくないですよね。
しかし、一回渡したものを返してもらうわけにもいかない…。「損をした」ということでもないですが、自分だけ多く払っているのはちょっと後悔します。しっかりと周りと確認してから金額を決定してください。
ご祝儀のことをよく知っていきましょう!
結婚式に初めて出席する時は、ご祝儀に関して迷うことも多いはず。そういう場合は、一緒に出席する友人や結婚式に参加した経験が多い先輩に聞くようにしましょう。金額については、同じ立場の人と事前に話をして、合わせていくことをオススメします。
最近では、ゲストの方から会費を頂いて行う「会費制結婚式」も増えています。その場合はご祝儀ではなく、一律で会費としてお金を払うことになるので、それに従いましょう。
お金はトラブルに発展しやすいです。大人としてご祝儀の基本的なマナーは押さえるようにしましょう。