仕事へのスタンス=恋愛へのスタンス
男性でも女性でも、恋愛モードになると「仕事の話をしたくない」っていう人、結構いますよね。せっかくのデートなのに仕事の話をするなんて、と思うかもしれませんが、仕事の話にこそのその人の人間性が出るものです。
仕事は人生のうちの約3割のもの割合を占めるほど、多くの時間を費やす活動の一つです。仕事が好きかどうか、やりがいはあるかどうかは抜きにして、その膨大な時間の間に何を考え、どう取り組んでいるのかという姿勢は、人生の他の活動においての姿勢にそのまま反映されると言っても差し支えないでしょう。
特に「上司や部下・同僚との人間関係」は、「親や兄弟・パートナーや子どもとの人間関係」にダイレクトに反映されます(逆も然り)。ですから相手の仕事観を聞くことは、これから始まるかもしれない恋愛やパートナーシップを想像するのにとても参考になります。
「いや、彼・彼女は職場との人間関係がうまくいっていませんが、自分との関係は極めて良好ですよ。」と反論される方がいらっしゃるかと思いますが、それは「今は」うまくいっているだけであって、何か問題が起こった時に、十中八九「職場で抱えている問題に対して起こすリアクションと同じリアクションを取ることが予想される」ということだけは理解しておいてください。
仕事への姿勢を見れば、その人の本質が見える
例えば、こんなケースを考えてみましょう。彼氏が成績が優秀なあまり上司に目をつけられて、軽いイジメにあっている。彼氏には何の責任もなさそうで、本人も「俺は何も悪くないのに」と愚痴をこぼしています。
あなたはそれを聞いて「彼は一生懸命に仕事をこなしているだけ。たまたま悪い上司にあたって可哀想な思いをしている。」と、同情するかもしれません。確かに、彼氏は気の毒です。しかし「俺は何も悪くないの」と思っているところが、その彼氏の本質が垣間見えるところでもあります。
「俺は何も悪くない」という姿勢は、「やるべきことさえしっかりやっていれば、他の人がどう思うと関係ない。なぜ俺が責められなくちゃならないんだ!」という思考性からくる態度です。しかし、事実としてその上司は彼氏のその態度に嫌悪感を感じたから嫌がらせをしているのです。
見方を変えれば彼氏の仕事のしかたが原因で、上司の機嫌が悪くなったということ。それを「俺は何も悪くない」と言い切ってしまうということはつまり、彼氏は「問題の責任を自分のやるべきことの範囲を越えて取りたがらない人」であると言えるでしょう。
こういう人が、将来家庭を持ち、奥さんと家事を分担したすると、掃除とゴミ出しは俺の役目、その他の家事は妻の役目と切り離し、奥さんが手伝って欲しい時に「それはお前の仕事だろ」と言って聞かない可能性があるのです。
逆に奥さんが大変そうな時に「俺の方は終わったから何か手伝おうか」といってくれる人の意識は、「家事=家族の共通のタスク」であり、普段は効率化の為に役割分担しているに過ぎないと捉えています。ですから、いざという時は「家族の共通のタスク」を解決することを優先にし、自分の役割を越えて問題解決に挑もうとします。
こういう人が仮に同じような上司に出会ったとしても、「自分と上司の人間関係の悪さ=職場の雰囲気の悪さ=会社全体の売り上げの低迷」と意識し、役割を越えた問題解決に奔走するはずです。異動を申し出る、社長に直談判する、転職する、何かしらのアクションをするはずなのです。
要するに「私の旦那(妻)は仕事には手を抜く人だけど、家庭のことは一切手を抜かない人です!」なんて人は存在しないよ、ということです。
相手を見極めるなら、仕事の話をしよう
単純に恋人とのデートを楽しむだけなら、普段から仕事の話ばかりしなくても良いですが、付き合う前の、あるいは結婚相手を見定める時期のデートの時には、仕事の話こそした方が良いといえます。
仕事に一所懸命になれない人が、家事や育児には一所懸命になれる、なんて都合のいい話はまずないですし、向上心がなく目の前の課題に向き合ってない人が、家族の課題には向き合えるなんてことはありません。
「この人の本当のところはどうなんだろう?」と思ったら、仕事に関しての話を振ってみてください。その対応いかんでは、あなたに対する将来の態度が見えてくることがあるかもしれませんよ!