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自由度が高い「人前式」を知っていますか?
現在、形式や格式にとらわれない「人前式」に人気が集まっています。
「人前式」とは、両親や家族、親族、友人たちの前で結婚を誓うスタイルの結婚式のことを言います。そのコンセプトはとにかく“自由”。新郎新婦が着る衣装や式を開催する場所まで特に決まったことはなく、演出も自分たちで自由に決められます。宗教とは無関係の式なので、出席者の宗教的背景を考慮しなくてもいい、というのも人気を集めている理由の一つです。
現在、首都圏で「人前式」をするカップルは全体の20%。約5組に1組の割合で「人前式」を利用していることになります。結婚式も多様化が進んで、「自分たちの個性を出したい!」と思う人が増えています。オリジナリティを追求したいカップルには特にオススメのスタイルです。
ゲストを巻き込んだ一体感のある結婚式ができる「人前式」の魅力を紹介します!
人前式の一般的な流れとは?
「人前式」は自由度が高い結婚式なので、自分たちで全てを一から作ろうとするカップルがいます。しかし、いざ準備を始めてみると、それは時間や予算の関係でかなり難しいことに気づきます。自分たちのやりたいことを、あれもこれもと手を出していると、予算はどんどん膨れ上がり、時間も過ぎていってしまいます。「人前式」の流れや、演出を考える上で大切なのは、“既存の結婚式の流れをベースにしてアレンジを加えること”。そして、そのポイントを絞ることです。
まずは「人前式」の一般的な流れを知っていきましょう。
人前式の流れ
新郎新婦入場
新郎新婦が入場します。両親が一緒に入場することもあります。
開式の言葉
司会者が結婚式の開式を宣言します。
誓いの言葉
事前に新郎新婦の二人で考えた、「誓いの言葉」を朗読します。特に決まった言葉はないので、二人の個性が出るような文章を考えましょう。
指輪の交換
新郎、新婦の順番に指輪の交換をします。指輪以外を交換する人もいます。お二人が大切にしているモノや、相手の欲しいモノなど、思い出に残るようなモノを交換しましょう。
「結婚誓約書」や「婚姻届」にサイン
新郎、新婦の順番で「結婚誓約書」や「婚姻届」にサインをします。立会人や両親などに署名をしてもらいます。
結婚成立の宣言
司会者(または立会人)が、結婚成立の宣言をします。参列者の拍手や、鐘を鳴らすことで結婚の承認が行われます。
閉式の言葉
司会者が閉式を宣言します。
新郎新婦の退場
新郎新婦が退場します。フラワーシャワーや、ライスシャワーなどの演出が人気です。
この式の流れをベースにして、ポイントごとに自分たちなりのアレンジを加えていきましょう。
人気の演出アイデアとは?
入場のタイミングの演出
人前式の最初のアレンジポイントは、「新郎新婦の入場」です。
フラワーガールとフラワーボーイ
新郎新婦の前を歩く子供たちが花びらを舞わせる姿は、幸せそのものです。風に舞う花びらには、華やかさを演出するだけでなく、“お清め”の意味も込められています。
ベールガール
新郎新婦入場の際に、新婦のベールを持ち上げる役割を、女の子にしてもらう演出です。1人の場合と、2~3人で行う場合もあります。大人な雰囲気のキレイな花嫁と、幼い女の子の対比で、より可愛らしく演出できます。
両親と入場
新郎新婦と共に、両親が入場する演出です。子供たちによる演出とはまた違って、感謝の気持ちを強く伝えることができます。
誓いの言葉の演出
人前式では、二人で考えた言葉で、参列者に結婚を誓います。結婚の、誓いの言葉さえ入っていれば、基本的にはどんなスタイルの文章でもOKです。
基本の例文
私たち二人は、本日ご参列していただいた皆様のお立ち会いのもと、結婚することをここに誓います。どんな時もお互いに助け合って、笑顔が溢れる幸せな家庭を築いていきます。
皆様、これからも私たちのことを、結婚宣誓の証人として見守り続けてください。宜しくお願いします。
- 結婚の誓い
- こんな家庭にしていきたい
- これからも見守ってください
という3つの要素を盛り込むことがベースになります。ここから、中盤の部分にアレンジを加えていきます。
二人の好きなところを言うパターン
(新郎)○○さんの、負けず嫌いで、いつも一生懸命に物事に取り組んでいる姿が大好きです。
(新婦)○○くんの、普段はちょっと頼りないけど、ここぞという時に見せる男らしさが大好きです。
ユーモアを入れるパターン
(新郎)○○さんと少しでも長くいられるように、これからはご飯を食べ過ぎないことを誓います。
(新婦)○○くんが家で快適に過ごせるように、苦手な掃除を頑張ることを誓います。
二人のパーソナルな部分を入れると盛り上がります。自分の弱い部分を見せて、それを克服します! という構成にすると、その場の雰囲気が温かくなり、自然と周囲に応援してもらえるはずです。
他には、チャペルでの牧師さん役を、友人や両親に頼んで、その問いかけに応えるというパターンもあります。
指輪交換時の演出
リングリレー
結婚指輪をリボンに通し、後方から新郎新婦にいる前の席へ渡していく「リングリレー」は定番の演出です。最後にリングピローを受け取った方が、結婚指輪を届けます。ゲストとの一体感が生まれるので、式の盛り上がりが期待できます。
リングボーイ・ガール
小さな子どもに、結婚指輪を乗せたリングピローを運んでもらいます。男の子と女の子一人ずつに頼んで、一緒に並んで行進する演出にすれば、もう1組の小さな新郎新婦が登場したような雰囲気になり、とっても可愛く映ります。
結婚誓約書にサインする時の演出
手作り結婚誓約書
法的な効力があるわけではないので、とにかく自由に、結婚の記念になるような結婚誓約書を作りましょう。例えば、本が好きなカップルだったら、誓約書を本の形にする演出や、パズルが好きなカップルだったら、ジグソーパズルの形にして、最後の1ピースをはめ込むといった演出が可能です。
「結婚成立の宣言」の時の演出
新郎新婦が「結婚誓約書」をゲストに見せて、結婚を宣言します。その際、ゲストの方に承認を確認してもらいます。
バルーンリリース
式場の外にガーデンやテラスがあれば、空に向かって風船を飛ばす「バルーンリリース」がオススメです。天高く舞う風船には「永遠に続く幸せ」という意味が込められています。
キャンドルリレー
ゲストにあらかじめキャンドルを渡しておきます。新郎新婦から両親のキャンドルに火を灯し、ゲスト全員に回していきます。最後まで回ったら、一斉にキャンドルの火を吹き消してもらいます。幻想的な雰囲気と共に、ゲストとの一体感が生まれる人気の演出です。
退場時の演出
ゲストの皆さんに花道を作ってもらい、「フラワーシャワー」「バブルシャワー」で見送ってもらうのが、定番の演出となっています。
人前式ならハプニングさえも良い思い出に
「人前式」は基本オリジナルなので、費用の相場は人によって様々です。また、開催場所もホテルやレストランだけでなく、専門式場でも行うことができます。結婚のプロデュース会社に相談すれば、普通は結婚式を行わないような、ちょっと変わった場所での人前式もできるかもしれません。
演出はシンプル過ぎず、やり過ぎず、年配者のゲストでも楽しめるような工夫が必要です。こだわりの演出は、打ち合わせやリハーサルが大切になってきます。参加型の演出では、ゲストの方に依頼しておかなくてはいけません。準備不足で、当日うまくいかないこともあります。ただ、「人前式」はそんなハプニングさえも、良い思い出になってしまうような、アットホームな雰囲気が魅力でもあります。
「一生に一度の結婚式は、とにかくオリジナリティを出したい!」そんな風に考えているカップルは「人前式」を挙げてみてはいかがでしょうか?