Otherウェディング

【体験レポ】車いす女子が、実際に結婚式会場を見学してみた

投稿日:2017年4月22日 更新日:

私のように車いすに乗っていると、どんな結婚式が挙げられるのか?また、ゲストとして招待されても楽しめるのか不安でした。
そこで今回、直接結婚式会場へ見学に行ってみました。

私の不安は払拭されるのか、それとも新たな希望を感じるのか。ドキドキしながらの参加です。

1:リストランテ・ベニーレベニーレ

 原宿駅から電動車いすで5分ほど。明治神宮前駅からでもエレベーターに乗ってすぐ。どちらから来ても車いすで問題のないところに、「ベニーレベニーレ」さんはありました。ビルの5階6階にあるため、エレベーターを使用。ちゃんとスイッチも、車いすで届く位置にあります。

つまずきなく店内に入ると、フレッシュでイケメンな案内係の方が出迎えてくれました。

メインフロア

店内は100人以上入るほどの広いフロアで、天井は吹き抜け。中央には大人数で囲んでダンスしたくなるような(実際するそうです)、大きいツリーがどっしりと生えています。

ツリーの存在感で、メルヘンな世界を感じてウキウキしてきました。結婚式の時にはツリーに電飾や写真をかけて、装飾して雰囲気も変えられるそう。

ナチュラルウェディングがピッタリの雰囲気で、式でも二次会でも、フランクにゲストの方と楽しめます。海外で挙式をした方が、日本でお披露目のときに使われることもあるようです。

車いすユーザー目線でフロアを見ても、テーブルやイスが並んでいても通りやすく、柱もないので移動しやすいです。ただ、机に入り込むのは、机の脚とぶつかって少し入りづらいかもしれません。

高砂席

高砂は一段高いステージとなっていましたが、動かせるので新郎新婦が車いすユーザーでも問題なし。もちろん事前に伝えれば、ステージに上げることも可能とのこと。ちなみに電動車いすは重すぎて少し危ないですが、手動車いすなら抱えてサクッと乗れます。

テラス

屋内だけでなく外にはテラスもあり、天気が良ければバージンロードを敷いて式を挙げることも可能!取材時は快晴でとても気持ちよく、原宿の街並みと共に東京タワーも見えました。1件目から素敵な眺めに、ここで結婚式したいなと思っちゃいました。晴れたら最高ですね。

吹き抜けからブーケトスも可能♪

先ほどの屋内に戻りひとつ上の階に行くと、新郎新婦が使える更衣室、控室があります。車いすでも部屋の出入り口も通れて、廊下は車いすが2台すれ違えるくらいの広さがあります。この階は、先ほどのフロアの吹き抜けの天井と繋がっているので、上からブーケトスもできるんです。力がなく投げられない私も、落とすことならできます。

一番心配される多目的トイレは、同じビル建物内の地下1階にありましたが、ドアが重い……。力のない私はへこたれそうです。自動開閉スイッチになったらいいのにな。

ですが、最初にパッと見た時から、ここはいいなと感じました。ゲストで車いすユーザーが来たことはあるそうですが、新郎新婦ではまだいないそうです。お店の方も「気に入っていただければ、お引き受けします」と、心のバリアフリーを感じるくらい、ウェルカムでした!

リストランテ・ベニーレベニーレ(詳細はこちら

2:アンフェリシオン

次は亀戸にある式場、アンフェリシオン。亀戸駅にはエレベーターがあり、式場まで平坦なルートなので行きやすいです。入り口にシャンデリアがあり、豪華で趣のある会場です。

建物内に入るには少し急なスロープではありましたが、無事に入ると、豪華なロビーから他のフロアへ行くエレベーターに繋がる階段があります。どうやって上がればいいのかなと思っていたら、隅にミニサイズの車いす用のエレベーターがありました。

乗っていると「すごい!」と思いましたが、動きがゆっくりなためか、私のような車いすユーザーが何人も来たらどれくらい時間かかるのかなと、ちょっとだけ不安になりました。

披露宴会場1:カーサ

エレベーターに乗り換え、受付フロアに向かうと、100人が同時に待てるほどの余裕の広さにビックリしました。車いすに乗っていても全然問題ありません。ここからの期待感は高まるばかり。

最初に案内されたのは、落ち着いた雰囲気の会場フロア。100人は入れる広さで、式がある際には車いすに乗っていても動線は確保され、机に入り込むにも問題なし。高砂にはステージがないので、会場の床は全面フラットな状態でした。

披露宴会場2:シエロ

もう一つの会場では入った瞬間から「キレイ~♪」とテンションが上がって声が漏れてしまうほど、前の部屋とは雰囲気が真逆の空間。床やテーブル、天井に至るまで、全面真っ白。キラキラした披露宴ができそうな会場でした。一番人気というのも納得。テーブルクロスや照明等で、部屋の雰囲気を変えられるそうです。

ブライズルーム

披露宴の会場と同じ階にあるブライズルームは、車いすでも余裕がありました。それぞれ部屋の奥にはトイレが付いていて、スムーズに行けるようになっています。ただ、車いすで入るにはギリギリ難しく、介助してもらってでも立てなければ、トイレへのアプローチは難しそうでした。ほんの数センチ間口が広ければ、もしくは戸の蝶番を180度広げられれば、利用できるようにみえました。

今回アテンドしていただいたスタッフの方からも「今まで車いすユーザー(一時的な利用を除く)の新郎新婦がいないから手探りでしか分からない」と仰っていました。

多目的トイレ

ゲストで車いすの方が来る場合の想定はあり、7階のワンフロアのみですが、多目的トイレがありました。車いすが十分回れるスペースと自動開閉スイッチもあり、利用するには快適です。ただ、動線上、会場入りするゲストと遭遇してしまう可能性があるため、新郎新婦が使うタイミングは難しいようです。

同じ7階にチャペルがあり、車いすに乗っていても、ゲストであれば、後ろのスペースで参列できそうでした。一段上にある説教台は動かすこともできるそうで、新郎新婦が車いすの場合は、要相談とのことです。

チャペル

各部屋ごとに雰囲気が全く変わるので、雰囲気重視にはおすすめの会場です。

アンフェリシオン(詳細はこちら

3:第一ホテル両国

披露宴会場1:アジュール

両国駅東口から6分。スロープの入口を抜け、最初に案内された披露宴会場は、25階にあるスカイバンケット「アジュール」。

窓からはみ出そうなくらい、スカイツリーが間近に見えます。すごい迫力です。

去年の8月にリニューアルされたばかりで、「スタイリッシュな和」「スカイツリー」を意識した部屋になっています。100人以上入る広さで、車いすでのテーブル間の移動も余裕。高砂はステージを設けていないので、バリアフリーです。

ちゃんこ鍋やお寿司の屋台を呼べるという両国ならではの演出も可能で、ゲスト同士が会話をしながら楽しめるそうです。ビュッフェ形式は車いすだと行きづらいですが、そこはコミュニケーションで乗り越えられるかな。

披露宴会場2:清澄(きよすみ)

さらに大きな披露宴会場の「清澄」。80人ほどでとゆったり使うこともできれば、200人で利用することも。今回見学した会場の中で一番大きかったです。天井まで7メートルもあり、室内ですが開放感をすごく感じました。スクリーンの下に広いステージがありますが、こちらも外せるそうです。

2つの披露宴会場は、一部屋一組とのことで、1日2組しか挙式ができないというプレミア感。しかも、飲み物・食べ物以外は持ち込み無料とのことで、とても珍しいですよね。

挙式会場:神殿

ホテルの中には、神殿もあります。なんと出雲大社のご神体をお祀りしているとのことで、現地に行かずとも神様に見守られて式を挙げることができます。神社などはバリアフルな印象ですが、こちらの神殿では挙式のみにて段差もなくバリアフリーな環境になっています。

挙式会場:チャペル

一方「チャペル」は、天使の可愛らしい絵が描かれた壁や内装や照明で、私の中で理想的なチャペルでした。こちらのゲストが座るベンチシートは可動式なので、車いすの友人を呼んでも入りやすく、場所も確保しやすいです。

親戚が何十人いても入れるような撮影スタジオへもお邪魔しました。ひな壇以外はバリアフリーで、当日は親戚一同で揃って写真が撮れます。

ブライズルーム

ブライズルームは壁の片面が全面鏡張り。ソファ等をずらさなくても余裕の広さでした。電動車いすだろうとラクラク。ゲスト用の更衣室の方は、ロッカールームの前に段差が一段あるので、ちょっと工夫が必要です。

多目的トイレは今までの会場とは違い、3つのフロアにあります。多い分には、嬉しいし安心しますね。入った一つは手動ドアでしたが、電動車いすでも入れました。

第一ホテル両国(詳細はこちら

まとめ

3つの会場を見てきて、雰囲気重視で見ると「ベニーレベニーレ」さん、「アンフェリシオン」さん。
バリアフリーを含めた理想の会場でいうと「アンフェリシオン」さん、「第一ホテル両国」さんです。

ただ・・・

自分でも手が届きそうな所でいうと「ベニーレベニーレ」さん。

個人的な好みでいうとナチュラルウェディングの「ベニーレベニーレ」さん。

総合的に自分のスペックとコストを考えると、「ベニーレベニーレ」さんが勝利。

今回見学してみて思ったことは、バリアの問題が減るごとに、リッチな式場になる印象がありました。
部屋の広さ・段差・多目的トイレなどが揃った会場は、新郎新婦側の金銭的な負担が増えます。

これは、「車いすだから」ということではなく、結婚式に対してやりたいことや求めることが多くなればなるほど金額がかかることは、みんな同じことですね。

結婚において、「バリアフリー」と「式場の費用」のバランスは難しく、どちらかを妥協せざるを得ない状況をリアルに感じます。
ですが、どの会場も相談をすれば親身に相談に乗ってくれるので、まずは何でも相談してみることがまずは大切ですね。

※【障害者】の表記に関して、下記の2つの理由から漢字表記とさせていただきます。
・法律上の表記はすべて「障害者」となっている
・視覚障害の方などが利用されるテキストの音声読み上げソフトが「障がい者」という平仮名表記を正しく読み上げることができないことがある

-Otherウェディング
-,

Copyright© マリアル | ウェディングメディア , 2024 AllRights Reserved.