一世一代の決心で臨んだプロポーズが成功して、安心していられるのも束の間。また緊張する場面が訪れます。それが、お互いのご両親への結婚挨拶です。特に、男性が女性のご両親に会いに行く時は緊張しますよね。
結婚は、おふたりだけで決められるものではありません。育ててもらったご両親に挨拶をして、しっかりと了承を得てから結婚をするのが、大人としての最低限のマナー。
ここでは、結婚の承諾をもらうための結婚挨拶について、事前にチェックしておくべき5項目をご紹介します。
目次
1.結婚挨拶の基本的な流れ
自分の両親へ結婚の意思を伝える
いきなり恋人と実家に行って、結婚の申し込みをしてしまってはご両親が驚いてしまいます。
まずは自分のご両親やご家族に、現在付き合っている人と結婚を考えていることを報告し、結婚の挨拶をしたい旨を伝えます。
挨拶の日取りを決める
自分のご両親に都合の良い日を聞き、日程を決めます。
ご両親が休みの日や、忙しくない時期を選ぶと良いでしょう。
忙しい年末年始やお盆はなるべく避けるようにします。
あいさつの準備を進める
当日の挨拶がうまくいくように、二人で準備を進めておきます。
手土産や当日着る服の用意、
そして質問にスムーズに答えられるように、どんな結婚式をしたいかなど結婚後のプランについて話し合っておきます。
相手の両親のもとへ出向く
結婚挨拶に遅刻は厳禁。交通手段、経路をしっかりと確認して、早めに着くよう心がけましょう。
訪問する時間としては、ピッタリ~5分後がベスト。あまりに時間が過ぎるのはいけませんが、早過ぎるのも迷惑をかけます。
早めに近くへ到着し、気持ちを落ち着かせてから訪問できるといいですね。
結婚報告の本題へ
自己紹介や馴れ初めなどを話して、ある程度場が和んだら、タイミングを見て結婚報告を切り出します。この時、男性から話を切り出すのが通例です。
帰宅
2時間程度を目安に伺いますが、時間帯によっては食事や宿泊の誘いがあることも。基本的にそういった申し出は、一度は断るのがマナーです。それでも誘われた場合は、「では、お言葉に甘えさせていただきます」と、快く受けましょう。
帰宅したら、改めてお礼の電話を入れます。女性側は自筆の手紙を出せたら、さらに好印象です。
2.結婚挨拶前に話し合っておくべきこと
お互いの親の情報を共有する
結婚報告をする前に、それぞれのご両親のプロフィールをしっかりと共有しておきましょう。特に女性側の父親と男性側の母親について、より詳しく聞いておくと上手くいくことが多いようです。
年齢、職業などの基本情報に加えて、性格、趣味、最近ハマっているものなど聞いておくと、話が弾みやすくなります。また、相手のご両親の気分を害するような発言の防止にも繋がります。
「好きなスポーツチームの話になり、知らぬ間に相手の父親を怒らせていた」なんてことにならないように注意しましょう。
自分の両親に相手のことを伝えておく
結婚相手の基本情報を、事前に自分のご両親に伝えておくことも大切です。相手の名前、年齢、職業、出身地、出会ったきっかけなど、当日話の種になりそうなことを知らせておきます。
これらは当日も改めて本人が言いますが、事前に知らせておくことでご両親が安心できます。
結婚後のプランの統一をする
当日聞かれそうなことは事前に話し合っておきます。
- 入籍・結婚式の時期はいつ?
- 結婚後はどこに住む?
- 結婚後は、どうやって働く?
- 将来的な人生設計はどんな感じ?
などが代表的な質問です。他にパーソナルな部分で突っ込まれそうな部分があれば、しっかり答えられるようにしておきます。
経済的に不安がある人は、「今後どう生活していくのか?」と聞かれることも覚悟して。自分がもし親の立場だったら何を心配するか、あらかじめ想定しておくとスムーズに答えられます。
おふたりの間で意思統一ができていないと回答の方向性がバラバラになり、ご両親の目に頼りなく映ってしまうため注意しましょう。
3.印象が決まる!身だしなみ・服装
結婚相手を見る時に、その人の見た目はとても大切な要素です。
当日は"オシャレ"よりも"清潔感"を意識しましょう。服はアイロンでしわを伸ばして、襟元や袖の汚れにも注意します。爪や鼻毛のチェックも忘れずに。
また、派手なアクセサリーなどは外し、キツイ香水もその日はつけていきません。
相手のご両親から「普段着でいいよ」と言われることもありますが、最低限のマナーは守るようにしてください。
【男性編】
服装は、紺やグレーなどの落ち着いた色のスーツやジャケット。シャツにネクタイを締めていきます。訪問の際は靴を脱ぐので、靴下は新しいものを履いていきます。
ヘアスタイルは極端な茶髪や金髪など、派手な色は避けます。ヘアセットは清潔感を意識して。寝ぐせでボサボサになっていないかチェックしましょう。
【女性編】
服装はワンピースかスカート、またはスーツが望ましいです。タイトなスカートや短すぎるスカートは座った時にずり上がるので避けたいところ。胸元がざっくり開いたような、露出度が高い服もやめましょう。ストッキングはナチュラルな色のものを選びます。生足で訪問するのはNGです。
化粧やヘアスタイルは、清楚な雰囲気が好印象。必要に応じて美容院にも行きましょう。アクセサリーは、パールやゴールドのピアス、指輪などシンプルなものをさりげなく取り入れます。また、派手なネイルをしている方は、なるべく落としていった方がいいでしょう。
4.事前に知っておきたい結婚報告マナー
一般的に男性側が先に、女性の親へ挨拶をする
家庭事情にもよりますが、一般的に女性が男性の籍に入ることから、男性が女性のご両親のところへ出向くことがほとんどです。女性側の両親には「娘が嫁に行く」という意識があることも多いため、まず女性側のご両親に結婚の承諾を得ます。
一昔前よりは、挨拶の順番を気にする人は少なくなっているようですが、もし順番が逆になる場合は、事前にその旨を伝えておいた方がいいでしょう。
喜ばれる手土産を持って行く
最初は手土産を持参するのがマナーです。しかし、あまりにも高価なものはかえって相手方に気を遣わせてしまうことも。3000円~5000円を目安に、相手のご両親が喜びそうなものを選びましょう。
手土産はしっかり吟味して、当日より前に購入しておきます。なるべく日持ちするものがおすすめです。また、手間を掛けないように、切り分けるものよりは、個包装されているものを選ぶと良いでしょう。
基本は出入り口に近い方が下座
部屋に入った後は、座る場所を指定されない限り「下座」に座るのがマナーです。
基本的には出入り口に近い席が「下座」です。和室の場合、床の間があれば床の間に近い方が「上座」になります。洋室の場合には、幅の広いソファーが最も格式が高いと言われています。
分からなければ、出入り口に近い方に座ることを意識しましょう。
5.結婚挨拶のNGワードとは?
続いては、結婚の挨拶にあまり好ましくない「NGワード」をご紹介します。うっかり相手のご両親の機嫌を損ねることのないよう、言葉のマナーについても把握しておきたいですね。
お互いに対する呼び捨て、ちゃん付け、愛称呼び
ついつい普段通りに呼んでしまいがちですが、自分の娘や息子が呼び捨てやあだ名で呼ばれているのを見て、快く思わない方も多いそう。
結婚挨拶に出向いている間は、お互いのことを「○○さん」「〇〇くん」と呼び合うにしましょう。
相手の両親を「お父さん」「お母さん」と呼ぶ
まだ結婚の承認を得ていない段階で「お父さん、お母さん」という呼び方をするのはやめておきましょう。厳密にはまだ他人なので、気安い呼ばれ方を嫌がる方もいます。
はじめは「〇〇さんのお父様、お母様」と呼び、「お父さんでいいよ」「堅苦しい呼び方はしなくていいよ」など、声を掛けてもらえるのを待ちましょう。
「お嬢さんをください」
ドラマなどでよく耳にする定番のセリフですが、実はこう言われることを嫌がる方も多いのです。その理由は「娘を物扱いしているようで不快」というもの。
同じように結婚の許しを請うなら、素直に「〇〇さんと結婚させてください」「〇〇さんとの結婚をお許しください」と言うのがよさそうですね。
「幸せにします」
同じく定番のセリフではあるものの、結婚とは男性側が幸せにするものという一方的な印象を与えかねません。この場合は「ふたりで幸せになります」と言い換えるのが無難です。
また、「絶対に幸せにします!」というアツい言葉も、場合によっては「絶対だなんて無責任」と受け取られてしまうことも。あまり強い言葉で言い切らず、謙虚で控えめな言葉を選ぶよう心がけましょう。
「結婚します」「結婚することにしました」
これらの言い回しは、結婚することを決めてから挨拶に出向いたような「事後報告感」を与えてしまうので絶対にNG。
結婚挨拶とは、あくまで相手の両親に結婚を認めてもらうためにするものです。お願いする気持ちが伝わるよう、言葉選びには気を付けましょう。
結婚挨拶は自信を持って臨みましょう
普段から相手方のご両親と仲良くしていている人でも、結婚の挨拶はしっかりと場を設けて報告しましょう。ご両親への結婚報告は、結婚に際しての一種の通過儀礼と心得ておくといいかもしれません。
結婚挨拶で大切なのは、相手のご両親に誠意を伝えること。基本的なマナーを押さえて、自信を持って臨みたいですね。
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