付き合っている男女が、入籍をせずにひとつ屋根の下に住み、事実上の婚姻状態であることを“事実婚”と呼びます。ライフスタイルや考え方の変化により、昔よりも増えている事実婚。
同棲と同じではないかという声もあるようです。しかし、同棲にはお互いに婚姻状態という認識がないため、厳密には似て非なるものです。まだまだポピュラーなものとは言い難いですが、海外によっては広く認知されている国もあります。事実婚と言うスタイルで暮らすことのメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
目次
事実婚のメリット
夫婦別性で生活が営める
女性も仕事を続ける人が増えていることもあり、夫婦別性を希望している人も少なくありません。そんな人たちからも事実婚は支持を集めています。
別れるときの手続きが結婚よりも楽である
結婚しても離婚してしまう人が増えている現代。実際に長年連れ添った夫婦が、新しい人生を謳歌するために離婚するなんて人もいるほどです。相手のことはとても大切だが、いつ何が起こるかわからないという考えを持っている人にとって事実婚はメリットになるのではないでしょうか。
夫婦のような生活だけど、カップルのような雰囲気が楽しめる
事実婚のメリットのひとつに、カップルのような雰囲気を残した関係が築けることが挙げられます。なぜなら、経済的に自立していることが多いため、対等な立場でいられるからです。
もし結婚して子供を産んだ場合、どうしても子供優先での生活になり、カップルのときのような雰囲気から遠ざかり、“パパ”と“ママ”に落ち着いてしまうことがあります。そして、仕事と育児や家事とそれぞれの役割が別れるため、どちらが偉いかということに発展することもあります。もし、いつまでも“女性”と“男性”の関係でいたいということであれば、事実婚はおすすめでしょう。
事実婚のデメリットとは?
親族から良い印象を持たれない可能性がある
それぞれの家系の考え方にもよりますが、籍を入れずに一緒に住むことに対して良い印象を持たない親族もいるかもしれません。特にご年配の場合、同棲自体に抵抗を感じる人も多く、両親を含め家族から反対される可能性もあるでしょう。その際は、籍を入れない理由を話し、真面目な生活をすることで理解してもらう必要があります。
責任を負わなくなってしまう場合も……
事実婚の多くは、両者とも経済的に自立しています。そんなことから、婚姻届を出していない男性は「彼女を養わなければいけない」という責任薄れやすいようです。実際に、出産や病気などに出くわした場合、男性側が責任を負うことを拒否してしまうケースもあります。
しかし同棲と事実婚は似て非なるもの。事実婚には、同居や扶養義務だけでなく貞操義務、家事や債務の連帯責任など様々な義務が発生します。そのため、事実婚を選択したカップルは、同棲カップルとは異なり婚姻状態の関係であることを認識した上で生活しなければなりません。
世間体にとらわれず事実婚という選択肢もアリ!
フランスではポピュラーな事実婚。日本でも世間体にとらわれずに事実婚で愛を育むカップルも増えているようです。カップルよりも家庭的で、結婚よりもフランクで自分らしさを保つことができる事実婚は、これからもっと広く認知されていくことでしょう。パートナーとの人生を考えるとき、選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。
(参考:弁護士ドットコム)