性格の異なる人と住む上で必要な覚悟
一緒に生活する相手ともなれば、性格や価値観の不一致が別れの原因になることもしばしば。几帳面な彼女は、いろんな物の置き場所を決めておきたいのに対して、大雑把な彼氏は特に気にしないもんだから、彼女が「いつも言ってるでしょ!どうして直してくれないの!」なんて憤ってしまうなんてことも。一緒に生活する相手ともなれば、性格や価値観の不一致が別れの原因になることもしばしば。
みなさんにも心当たりがあるのではないでしょうか。他人同士が共同生活をするにあたって、価値観の不一致は避けられない問題です。ところが多くの人が、この問題への向き合い方を間違っています。
一番やってはいけないことは「あなたのこういうところが嫌だから直して!」ということです。これでうまくいった試しがないのに、なぜか多くの人はこの悪魔の呪文を唱えてしまいます。なぜうまく行かないのか、理由は明確です。それは「その人が心地いいと思ってやっていることだから」です。
家にいる時というのは、誰だってストレスを抱えずにリラックスして過ごしたいはず。それを「直せ」と言われることは、リラックスできる環境を自らストレスフルな環境に変えろ、と言われているのと同じです。それで直すことができるのは、神か仏かくらいのものです。
世の中には、全てが綺麗に片付いている方が落ち着ける人と、ある程度物が散らかっていた方が落ち着ける人がいるのです。信じられないかもしれませんが、相手にとってはその状態が「心地いい」のです。そういう相手と暮らすことを前提に、パートナーとは同棲を始めるべきでしょう。
イラっとしたら、課題を分離しよう
多くの人は、相手に期待をしすぎです。人が自分の一言で変わると思っています。しかし、よく考えてほしいのですが、あなた自身は人から言われてきたことを全部直してきたのか? ということ。そんなことをしていたら人のいいなりですよね。人は人のいいなりにはなりたくないのです。
では、放っておけば良いのか? というとそれも違います。自分が気に入らないと思うところは気に入らないときちんと口にすべきです。あれ、言ってること矛盾してないか? と思われるかと思うのですが、そうではありません。「言うべきことは言って、相手が変わるのを期待しない」ことが重要です。
これを心理学者のアドラーは「課題の分離」と呼びましたが、要するに、パートナーの気に入らない部分を指摘するかどうかはあなたの課題であり、その指摘を受けたパートナーがそれを改めるかどうかはパートナーの課題であり、その課題を一緒にするのはやめましょう、ということです。
今回の場合であれば、部屋が片付いていなくて気持ちが悪いのは彼女の課題、部屋を片付けるかどうかは彼氏の課題なのです。言い換えるならば、自分のコントロールできる範囲に集中し、自分のコントロールできない範囲は気にしない、という「覚悟」が必要になるということです。
彼女は自分が気持ちよくなる為の行動に集中し、その文句を一切彼氏にぶつけないこと。そして彼氏が一生変わらなくても気にしない覚悟が必要です。それでも変わらない彼氏にうんざりして別れを切り出すのか、そこも含めて愛らしいと感じるのか、も彼女の課題であり、彼氏の課題にしてはいけないのです。
相手に期待すると疲れます。相手が自分の家族であれ、親友であれ、自分は独立した一人の人間として、自分の人生に責任を取ること。それこそが、家族みんなが心地よい家庭環境において必要なことではないかと思うのです。