「1.5次会」というスタイルの結婚パーティーに招待するゲストには、どのような形でお知らせするのがいいのでしょうか。今回は、1.5次会の招待状について、考えてみましょう。
目次
1.5次会でも招待状は必要?
「1.5次会なのに招待状だなんて、大げさかな?」そんなことはありません! 1.5次会といっても、立派な結婚式。自分たちの人生の大きなイベントであることに、違いはありません。自分たちが思うように、準備を進めましょう。
それでも招待状を出すべきか、どうするか迷っているという場合には、出すことをおすすめします。招待状が手元に届くと、ゲストはやはり新郎新婦の想いを感じ、丁寧な印象を受けます。人生の伴侶と、新しい一歩を踏み出す大切な節目。夫婦二人で、これから新しい家庭を築くのですから、大人としてできる限り丁寧な対応を心がけるようにしたいものですよね。
二人の最初の共同作業である結婚式なら、それはなおさらだと思います。「あの二人、ちゃんとしてるんだね」という印象を残したい場合は、ペーパーアイテムで招待状を用意し、送りましょう。ただ、最近はアプリなどを活用した出欠管理や、メールやSNSを利用して招待状とすることもあります。
親しい友人だけを招く会であれば、ゲスト側もそのほうがいろいろと手軽な面もありますから、いい面もあるでしょう。ただし、上司や目上の方を招待する際には、きちんと招待状を送付するのがマナーです。その他の友人はSNSで管理するとしても、目上のゲストにだけはきちんと招待状をお送りしなくてはいけません。
それでは次に、具体的にどのような招待状の出し方があるのかを見ていきます。
招待状の種類
返信用はがきを用いたいわゆる「招待状」
こちらは、一般的な結婚式や披露宴に則ったスタイルとなります。招待状に返信用の出欠はがきを同封したり、往復はがきで招待し、お返事をいただくというものです。
先ほども触れた通り、上司や目上の方、恩師や親族などを招待する場合は、往復はがきではなく必ず封書で送るようにします。その他の友人に対しても、フォーマルなスタイルのパーティーにしたい場合は、招待状を送付するスタイルをおすすめします。
手軽で便利「Web招待状」
最近は、Web上で出欠管理ができるツールや、SNSを用いてゲストに対して一斉に招待状を送るサービスも多くあります。この場合、相手のメールアドレスを知っていることが前提となります。
Web招待状のメリットは、招待する側も、される側もとにかく手軽だということ。「招待状を送ったけれど、返信が来ない」ということも、結婚式の招待状を送った際に起こりがちなトラブルですが、Webであれば返信の手間もあまりかからないため、ゲストからの素早い返信が期待できるというメリットもあります。
ただし、ゲストによっては「ずいぶん軽い招待だなぁ」とあまり快くなく感じられてしまうというデメリットも。Web招待状は時代にマッチした招待の仕方ではありますが、ゲストを選んで採用するべき招待方法とも言えます。くれぐれも注意して、検討することが必要です。
メールで招待状を送る場合、宛先は必ずBCCに!
もし、メールの一斉送信で招待する場合は、かならず宛先をBccにしましょう。Ccで送付してしまうと、個人情報であるメールアドレスが、ゲスト全員に見えてしまいます。
また、件名には分かりやすいように「結婚パーティーのお誘い/〇〇」というようにつけるようにしましょう。曖昧な件名にしてしまうと、うっかり見落とされてしまうこともありますので、注意が必要なポイントです。
招待状を送る時期
招待状を送る時期は3か月前
ゲストにたくさん出席してほしいなら、あらかじめスケジュールを押さえておく必要があります。できたら3か月前には、招待状を送っておくようにしましょう。よりフォーマルな、披露宴に近いパーティーを希望するなら、出来るだけ早めに送付するのがおすすめです。
また、日取りが決まったら、ゲストにはまずはメールでお知らせするのもいいでしょう。招待状を送る予定があるなら、メールには「後日改めてお知らせいたしますが」と一言添えた上で、1.5次会のお知らせをしておくようにしましょう。その方が、丁寧な印象を与えることができます。
1.5次会をカジュアルな会にする予定だとしても、遅くとも2か月前にはアナウンスしましょう。
返信は開催1か月前までにはいただけるように
ゲストの出欠のお返事は、開催1か月前にはいただけるようにお願いしましょう。基本的には、招待状送付から10日~2週間を期日として記載しておきます。
スピーチや乾杯の音頭などをお願いする方には、招待状にお手紙を同封するのがマナーです。できれば招待状を送る前に、直接会う機会を設けるか、お電話で「スピーチをお願いしたいのですが、お引き受けいただけますか?」と相談するようにしましょう。
了承を得た上で、手書きの心のこもったお手紙で依頼をすると、きちんとした印象を与えられます。
1.5次会の招待状を送る際の注意点
「1.5次会って何?」というゲストのために
「1.5次会」は、まだまだ新しいスタイルの結婚パーティーです。耳慣れない方もいらっしゃるでしょうし、招待状の文面には「1.5次会」という表現は一般的には入れません。
会費制と書かれていても「別にご祝儀が必要なのでは?」と悩まれるゲストもいらっしゃいます。服装も、どの程度のものが求められているか、考え込んでしまうこともあるでしょう。
そんなゲストのために、簡単にどのような会なのかを伝えられる文面を入れたほうがベターです。「心ばかりのパーティー」「小宴」などの表現を用い、会費を記載することで主旨を伝えられます。また「平服でお越しください」など、ドレスコードも書いておいたほうがゲストを悩ませずに済み、親切です。
招待状に入れておくべき項目はこれ!
1.5次会の招待状に必ず入れておくべき項目は、以下の通りです。
- 開催日時
- 会場名
- 会場についての詳細(住所、電話番号、地図、最寄り駅からのアクセス、会場のホームページなど)
- 会費
- ドレスコード
- 出欠連絡の期日
お子さんもゲストの中に含まれる場合は特に「アレルギーのある方は、お知らせください」と一言入れておくことをおすすめします。実際に、アレルギーのある方がゲストにいらっしゃった場合は、会場のスタッフと相談して対応できるようにしましょう。
せっかくのパーティーですから、不安材料を抱えての出席となっては、新郎新婦にとってもゲストにとっても残念なもの。当日ゲストのみなさんに楽しんでいただけるよう、最大限の心配りをするように心がけましょう。
招待状を送る際の文例集
それでは、実際に招待状を送る際は、どのような内容で作成したらいいのでしょうか。流れとしてはまずご挨拶があり、次に日時などの会の内容についてのお知らせ、締めのご挨拶、そして締め切りのお知らせというものになります。
ひとつ注意しておきたいのは、句読点は用いないということ。句読点は「切れる」「終わる」という意味合いを持ちます。ですから、末永い幸せを望む婚礼の場では、利用しないのがマナーです。
次に、実際に招待状の文章をいくつかご紹介します。
文例1
このたび 私たち〇〇〇〇と△△△△(旧姓:☆☆)は
結婚する運びとなりました
つきましては お世話になっている皆様をお招きして
感謝の気持ちを込めて パーティーを開催したいと存じます
ご多用のところ 恐縮ではございますが
ぜひご臨席くださいますようお願い申し上げます
記
日時:平成○○年○月○日
開始時刻:午後○時○分(午前○時○分より受付)
場所:レストラン○○
東京都○○区○○ 〇-〇-〇
電話番号:×××-×××-×××
(JR○○線 ○○駅 下車 3分)
URL:http://www.○○○○/○○
地図
未熟な私たちですが 力を合わせて
あたたかな家庭を築いて参りますので
新たな門出を 見守っていただけたら幸いです
大変恐れ入りますが 返信は〇月〇日(〇曜日)までに
お願い申し上げます
平成○年○月 吉日
新郎氏名
新婦氏名(新婦旧姓)
文例2
次に会費、ドレスコードを入れ込んだバージョンをご紹介します。
みなさま お変わりなくお過ごしのことと存じます
さて 私たちはこの度結婚することとなりました
つきましては ご報告とご挨拶を兼ねまして
小宴を催したいと存じます
ご多用中のところ 恐れ入りますが
ぜひ喜びをともにしていただけたら
幸いでございます
尚 誠に勝手ながら会費制とさせていただきたく
お願い申し上げます
当日は平服にて お気軽にお越しください
記
日時:平成○○年○月○日
開始時刻:午後○時○分(午前○時○分より受付)
場所:レストラン○○
東京都○○区○○ 〇-〇-〇
電話番号:×××-×××-×××
(JR○○線 ○○駅 下車 3分)
URL:http://www.○○○○/○○
地図
大変恐れ入りますが 返信は〇月〇日(〇曜日)までに
お願い申し上げます
心より お待ちしております
どうぞよろしくお願いいたします
平成○年○月 吉日
新郎氏名
新婦氏名(新婦旧姓)
招待状をいただいた場合の返信マナー
最後に、今度は招待されるゲスト側の立場にたって、招待状をいただいた際の返信マナーについてご紹介します。
新郎新婦は、心を込めて招待状を作り、送っています。ですから、返信は早ければ早いほど喜ばれるというのは、想像できること。返信は、招待状を受け取ってから、基本的に3日~1週間以内にはするように心がけましょう。
どうしてもその日の予定が分からない場合は、出来るだけ速やかに新郎新婦と相談するようにしましょう。いつ頃までに予定が分かりそうかを伝え、お返事が遅れることをお詫びします。
やむを得ない事情で欠席する場合は、すぐに返信せずに1週間程度時間を空けてからお返事を出します。これは、すぐに「あ、その日は無理」と判断したのではなく、なんとか二人のお祝いに駆けつけようとしたということを示す意味合いがあります。もし、欠席する場合は祝電を送ったり、お祝いの品やご祝儀をお渡しするようにしましょう。
会費制となるとご祝儀を渡していいのかな? と悩むかもしれませんが、結婚パーティーに欠席するのですから、そのあたりはゲストの気持ち次第ということになります。
返信する際には、お祝いの気持ちを招待状の返信という形でまずは届けるために、ちょっとした心配りをしましょう。まず、お手紙で招待された場合は、返信用封筒の「○○○○行」となっている宛名の「行」の部分を二重線で消し、左側に「様」と書きます。これは、ごく一般的なマナーです。
では、ワンランク上の返信の仕方をご紹介しましょう。同様に、宛名の「○○行」の「行」という字を、二重線の代わりに「寿」という文字で消すという「寿消し」という方法です。もし、新郎新婦の名前に寿が入っていて、その文字が二重になる場合は、通常の訂正方法をするようにしましょう。
また、返信はがきの裏面の出席、欠席の欄ですが、「ご出席」「ご欠席」となっていると思いますので「ご」の部分を二重線で消し、該当する方にまるをつけます。そして、その周りのスペースに「ご結婚おめでとうございます 喜んで出席させていただきます」と書き添えましょう。
欠席の場合も同様に「ご結婚おめでとうございます 当日はどうしても都合がつかず 欠席させていただきます 改めてお祝いさせていただきたく存じます」など、当日参加できないことを残念に思う気持ちや、謝罪の気持ちを書き綴るようにしましょう。
その他の項目でも「ご芳名」「ご住所」など、自分に対して向けられている言葉につけられている敬称はすべて、同様に消します。「ご芳名」の場合はうっかり「ご」だけ消して安心してしまいがちですが「ご芳」まで消すことを、忘れないようにしましょう。
また、返信はがきの余白には、一言メッセージを書くと、より丁寧になります。新郎新婦としても、決まり文句のような「結婚おめでとうございます 喜んで出席させていただきます」という言葉だけでなく、思いのこもったメッセージがほんのひとことでも書かれていると、嬉しいものです。
結婚式招待状の返信の仕方には、基本的なマナーはありますが、細かな部分はやはりその人の考え方や気持ち次第と言えます。人生の一大イベントに自分を招待してくれたことへの喜びと、お祝いの気持ちなどを個人的な気持ちも込めて書き添えることができたら、素敵な返信となるでしょう。
通常の結婚式や披露宴でも、本来なら招待状はゲスト一人一人に顔を見て直接手渡しするのが良しとされているほど、大切なアイテムです。会の準備において、招待状は一番最初に手掛けるもの。丁寧に作成し、ゲストに心を込めてお届けできるよう、用意するようにしましょう。