近年では結納をするカップルの数はかなり減少しています。しかし、家庭によってはしきたりを重んじる場合もあるため、基本的な内容は理解しておくとよいでしょう。結婚というのはそれぞれの家と家が繋がることです。よく話し合った上で、形式的な結納を行うのか簡単な食事会で済ませるのか決めなければなりません。
どちらにしてもお互いに納得いくように取り決めたいところです。そこで今回は、形式的な結納の基礎知識についてまとめました。どのような結納にするか決めるために、参考として読んでいただければ幸いです。
目次
そもそも結納が持つ本来の意味とは?
結納とは本来、両家が結びつくことを祝って贈り物を交わすことです。この時点で結婚することを公に明かしたことになり、昔はかなり重要な行事でした。しかし最近では、結婚自体を両家の結びつきと理解する人が減っています。そのため、結納を行うのが異例だと考える人もいるのではないでしょうか。
さらに地元を離れ就職した場所で出会い、結婚に至ったケースも多いため、出身地が遠く離れている人同士の結婚も珍しくありません。それらのことから、結納についての考え方が異なる者同士が家族になる可能性は多いにあるのです。しかし、どのような形式で結納を済ませるにしても、本来の両家が結びつくことを祝う気持ちは無くさずにとり行いたいものですね。
結納の準備に必要な5つの基礎知識
■1:結納は結婚式の3~7か月前に行う
一般的には結婚式の3~7か月前で大安・先勝・友引いずれかの日に結納を行います。
■2:婚約記念品の準備
主に関東と関西で大きく分かれており、話し合いでもめた時には主張やこだわりの強い方に合わせる傾向があります。一般的に女性には指輪、男性には時計などの高価な宝飾品を贈ります。
■3:結納品セットの準備を行う
結納品セットとは、「目録」「長熨斗」「御帯料」「勝男武士」「寿留女」「子生婦」「友白髪」「末広」「家内喜多留」などの縁起物のことです。地域によって品数が異なり、関東は9品目、関西は5~9品目です。ネット通販や専門店で購入することができます。また、ホテルや式場で専用のプランがあるときには、品物自体をあらかじめセットしておいてくれます。
■4:会場の準備
会場は料亭やホテル、式場などを借りて行うことがほとんどです。出席者は新郎新婦とそれぞれの両親で、基本的に兄弟姉妹は参加しません。人数の決まりは特にありませんが、一方の家で4人を超える場合は、事前に先方へ了解を取っておくとよいでしょう。
■5:受書の準備
結納では品物を受け取ったというしるしに受書を渡します。さらに、お互いの家族を紹介する家族書をあわせて準備しておくとよいでしょう。本来は受け取る側が書いて渡すものですが、最近では結納品購入時についているものを使用する人もいます。
結納のお金に関する基礎知識
結納のお金についてですが、金額は家の格式などによって異なります。しかし、男性から女性に贈るときには50万円、100万円といったキリのいい数字にするのがマナーといえるでしょう。あらかじめ、いくらにするか両家で相談しておくと、女性側もお返しの準備しやすいです。
ちなみに女性からのお返し金額は、関東では受け取った額の半分で関西では1割程度が相場。さらにお金よりも品物で返すことが多く、関東では最初からお返し分を差し引くといったケースもあります。ちなみに全国的な平均値を見ると、北陸、関西、中四国が最も高額の103万円超、次いで関東の91万円、九州の86万円弱、北海道の74万円弱となっています。
当日の服装にも注意が必要!
結納当日の服装は両家の格を揃えておきましょう。一般的には準礼装に当たるセミフォーマル以上のランクとなり、男性はスーツ、女性はスーツやワンピースが該当します。ただし、女性は写真映えなどを考慮して、振袖を着用しても失礼には当たりません。母親が和服を着用する場合には、訪問着を着用することが多いですが、事前に両家で打ち合わせをしておくのが無難でしょう。お互いに贈り物をした後は、食事会に移行することも多いので、会場までの距離なども考慮して選ぶのがおすすめです。
結納の基礎知識を知って気持ちよく当日を迎えよう
形式的な結納は、普段聞きなれない言葉やマナーがあります。しかし、事前準備をしっかりしておけば形式的な結納も無事に乗り切ることができるでしょう。また、儀式を行うことで両家の結びつきを強く実感できるはずです。もし形式な結納はせず簡単な食事会で済ませる場合も、結納の基礎知識を知っておいて損はないでしょう。