結婚式の演出の一つに、花嫁が両親や家族への手紙を朗読する「家族への手紙」というものがあります。
家族への手紙は、日常生活では照れくさくてなかなか伝えられない感謝の気持ちをきちんと伝えられる貴重な機会です。
実際、手紙の朗読をやってよかったと感じている花嫁も少なからずいます。
ただ、家族への手紙というものは書きなれないものですから、どのように書けばいいのか悩んでしまうかもしれません。
基本的に、「書き出し文」+「エピソード文」+「結び文」で構成するとうまく感謝の手紙を書くことができます。
詳しくみていきましょう。
朗読時間と文字数
家族への手紙は「書き出し文」「エピソード文」「結び文」の3部構成でまとめます。
手紙の長さは、朗読時間3分程度におさまるように、大体600~800文字程度でまとめましょう。
短すぎると素っ気ない印象になりますし、長すぎると間延びしてしまう可能性もありますから、極力この範囲内にまとめるようにします。
家族への感謝の気持ちを書いていると、ついつい、書いておきたい思いがあふれてきて長くなってしまうかもしれません。
長くなってしまったときは、同じことを繰り返し言っていないか、自分が最も言いたいことは何か、を意識しながら、余分な部分を削るようにしましょう。
また、手紙は最低でも式の一週間前には書き上げて、推敲や朗読の練習をきちんとしておきましょう。
書き出し
家族への手紙の書き出しは、ゲストへの断り文句を入れるパターンと、家族への呼び掛けから入るパターンの二種があります。
それぞれの構成は以下の通りです。
・ゲストへの断り文句を入れる場合
忙しい中参列して貰ったお礼+この場を借りて家族への感謝の手紙を読む許しを願う
・家族への呼び掛けから入る場合
「お父さん、お母さん」と家族への呼び掛けと育ててくれたお礼+どんな気持ちで手紙を書いたかを述べる
ゲストへの断りから入るパターンは丁寧な印象になりますし、家族への呼び掛けから入るパターンは親しみやすい印象を与えられる効果があります。
自分達の式の目的や目指す雰囲気を意識して、書き出しを決定しましょう。
ただし、結婚式の主催者が両親の場合は、家族への呼び掛けから始まる手紙を読むのはマナー違反になります。
その場合は、ゲストへの断りから始めるようにしましょう。
エピソード
書き出しの次は、家族との絆を感じられるエピソードを述べていきます。
ポイントとしては、家族にしか分からないような書き方をするのではなく、具体的なエピソードを入れてゲストにもわかりやすい内容にするようにしましょう。
また、家族の内、特に父親と母親宛に手紙を書くのならば、どちらかに比重が偏り過ぎないようにするのも大切です。
エピソードの内容としては、熱を出したときに懸命に看病してくれたことや悩んでいるときにいつでも味方でいてくれたことなどがふさわしいといえるでしょう。
エピソードを紹介したのちに、感謝とお礼の一言を付け加えるとより効果的といえます。
また、エピソードの内容として感謝していることの他に、家族との関係で失敗したことや後悔している思い出で構成するのも効果的です。
反抗期や思春期に両親と対立して叱られたことなどを述べて、謝罪をし、家族が本気で叱ってくれたから立派に成長できたことにお礼を述べて締めくくります。
さらに、家族への手紙で、両親だけでなく、祖父母や兄弟姉妹といった家族へのお礼やメッセージを入れても良いでしょう。
結び
エピソードを述べ終わったのちは、そのエピソードから自然な入り方になるように注意しながら、結びの言葉で手紙を締めくくります。
結びの文の構成としては、まずは、両親へあらためて感謝の思いを伝えて、新たな家庭を築く抱負を述べていきます。
次に、自身への家族だけでなく、義理の両親へのメッセージを述べるようにしましょう。
家族に加われることへの喜びや今後の挨拶などを述べるようにします。
最後に、簡単にゲストへの感謝の気持ちを述べ、あたたかく見守っていって欲しい旨を述べて、手紙を締めくくります。
手紙以外の伝え方
家族へのお礼を伝える方法は、手紙だけではありません。
最近では、ビデオレターなどの映像演出で両親への感謝を伝えるケースも増えてきています。
また、家族への感謝をテーマとした歌や家族にとって思い出深い歌を歌うことで、思いを伝える手段もあります。
もしも、手紙を読むのが恥ずかしいなどの事情があるならば、無理をせずに、自分らしい方法で思いを伝えていくと良いでしょう。
結婚式における家族への手紙は、日常生活では伝えにくい家族への感謝を伝える絶好の機会です。自身の思いを伝えるということを何よりも大切にし、構成を参考にしながら、独りよがりにならない良い手紙を書きあげましょう。
また、手紙を読み上げるのが恥ずかしい場合は、他にも感謝の気持ちを伝える方法はいくらでもありますから、自分らしい表現方法を考えてみるといいですね。