「婚約指輪はお給料の3ヶ月分」というフレーズ、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
この給料3か月分とは、だれが決めたことなのか、気になったことはありませんか?
今日は婚約指輪の歴史的観点から一度考えてみたいと思います。
目次
婚約指輪のルーツから迫ってみた
婚約指輪のルーツは古代ローマにあるといわれている
当時は、結婚式以上に、婚約が重要視されており、誓いの印として鉄の輪を贈る習慣がありました。このとき交換されていたのはなんの飾り気もないただの鉄の輪だったと言います。一説にはこの鉄の輪は「妻に忠誠を誓わせる」という意味合いが強かったと言われています。
中世ヨーロッパ時代
宝石付きの指輪を贈るようになったのは中世ヨーロッパからです。当時の指輪にはサファイヤやルビーがよく使われていました。
「高価で経済的な犠牲を払う指輪を夫から妻に送らなくてはいけない」と当時の教皇・ニコラス1世が言っていた記録があります。
いずれにしても「夫が高い犠牲を払うことで、妻に忠誠を誓わせる」という意味合いが、強かったといえ、現代のロマンチックな婚約のイメージとは少し異なっています。
一方、日本では
日本では1960年頃から結納の贈り物として夫から妻へ指輪が贈られるようになったといわれています。
現代のようにダイヤモンドが主流ではなく、誕生石やパールの指輪がほとんどでした。
この婚約指輪といえば思い浮かべるダイヤモンドの立て爪リングです。
「給料3か月分」はテレビCMがきっかけだった!
このような指輪が定番化してきたのは1970年代にダイヤモンドジュエリーの会社が放映したテレビCMがきっかけです。そのCMで使われていたのが「お給料の3ヶ月分」というフレーズです。
この印象的なフレーズがきっかけで、70年代~80年代にかけてダイヤモンドの婚約指輪は急速に普及していきました。日本がバブル時代だった頃のお給料で3ヶ月分ですから、婚約指輪に高価なイメージがあるのもうなずけます。
とはいえ、定番と思われているダイヤモンドの婚約指輪もここ30年ほどの習慣であることがわかります。
そして現代社会ではどうか考えてみた
「給料3か月分」という固定概念は崩れつつあった
金額よりも思い出を大切にしたいカップルには、婚約指輪を手作りできる工房も最近では人気があります。手作りといっても、素材はプラチナやゴールドなど本物の素材です。また、難しい工程は職人さんがやってくれますので、初心者でもクオリティーの高いリングが仕上がります。
結婚後の新生活や新婚旅行に備えて婚約指輪を作らないカップルも増えています。
婚約指輪はなくともプロポーズはしたほうがいいでしょう
「婚約指輪はいらない」という女性も、プロポーズの言葉をしっかり伝えて欲しいという想いを持っています。
彼氏彼女という存在から「家族」になるわけなので、その気持ちを伝えることは重要だといえるでしょう。
時代によって、婚約の意味も婚約指輪の形も変わり続けてきました。
しかし、どの時代でも婚約指輪に求められてきたのは誓いの想いを形にすることです。
現代のプロポーズでは指輪の値段より、プロポーズしたときの決心や未来に対する想いが込められていることが大切ではないでしょうか。