昔に比べて大分オープンになってきたLGBTの方同士の結婚。marrial(マリアル)編集部の事務所が新宿2丁目の近くにあるので、新宿2丁目近くのウェディングドレスサロンに務めるドレススタイリストに「同性カップルの衣装選び」について聞いてみました。
インタビュアー:マリアル
よく耳にするようになった「LGBT(エルジービーティー)」
LGBTとは?
Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性別越境者、性同一性障がいを含むこともある)の頭文字をとった単語で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称のひとつです。
(参考:TOKYO RAINBOW PRIDE)
同性パートナーシップ証明書
2015年11月5日より、東京都渋谷区で、同性カップルを結婚に準じる関係と公的に認める全国初の「パートナーシップ証明書」の交付が始まりました。これを機に現在では東京都世田谷区、兵庫県宝塚市、三重県伊賀市、沖縄県那覇市、北海道札幌市でも同性パートナー証明書や宣誓書が発行できるようになり、全国的に同性カップルを結婚に準じる関係と公的に認める動きが広がっています。
LGBT向けの結婚サービス
同性パートナーシップが発行できても法律上の効力はありません。しかし、法律上の婚姻関係がなくても挙げられるのが「結婚式」。今では、LGBTの方を対象にした結婚サービスも出てきました。
・novia novia wedding(http://novianoviawedding.com/)
・VALENTY WEDDING(http://www.valenty.jp/)
・rainbow aisle(http://rainbow-aisle.com/)
等々
“新郎衣装のプロ” ウェディングドレスサロン 男性スタイリスト
人物紹介
杉山 裕章(すぎやま ひろゆき)
bittersweet 男性スタイリスト
現在ドレススタイリスト5年目。前職は外資系アパレルにて、セクションマネージャーを務めていた。そんな中自分自身の結婚式の準備を通して、ウェディングの仕事に幸福度の高さを感じ、結婚式のニか月前にドレススタリストに転職。これまで担当したお客様は約600組。タキシードの提案・接客をし、平日は結婚式場やウェディングプロデュース会社の人とよりお客様に喜んでいただけるプランを作ったり、商談をしたりしている。
|
同性カップルの衣装選び
新宿2丁目の近くに店舗を構えていらっしゃる
bittersweetさんだからこそ「同性カップルの衣装選び」について質問させていただきます。どうぞよろしくお願いします!
同性カップルへの対応
同性カップルのお客様が衣装選びをされる時に、何か特別にご対応されていることはありますか?
特にはありませんが、「他のお客様がいらっしゃても良いか」という点は必ず確認するようにしています。
はい。同性カップルに限らず、人の目を気にされない方もいらっしゃれば、他の人がいらっしゃると選びずらい……と言われるお客様もいらっしゃいます。通常同じ日時に複数のお客様から予約が入った場合は、同じフロア内に飾られているドレスをそれぞれご覧いただくようになりますが、人の目が気になると言われる方には特別にショップを貸切にしてご利用いただくようにしています。
費用は一切いただいておりません。無料で貸切対応させていただいております。ドレスショップの貸切は他のお客様でも対応させていただいておりますが、同性カップルのお客様には必ず質問するようにしていますね。
なるほど。それは同性カップルの方にとってはとても安心ですね。
衣装の組み合わせ
ちなみに、同性カップルの場合、衣装の組み合わせってどうなるんですか?
もちろん、お客様のお好みですが、ほとんどのご夫婦が女性カップルであればドレス&ドレス、男性カップルであればタキシード&タキシードと、同じ衣装の組み合わせを選ばれます。ドレスとタキシードの組み合わせを選ばれる方は少ないですね。
ドレス&ドレス、タキシード&タキシードと、同じ衣装を選ばれる方が多いということですが、同じデザインでおそろいにされたりするのですか?
デザインをおそろいにされる方もいらっしゃいますが、お互い異なるデザインを選ばれる方が多いですね。それぞれの人間性を尊重するために、異なるものを選ばれるのではないかと思います。
同性カップルの結婚式「同性婚」
衣装を選びに来られる方は、結婚式を予定されているお客様ですか?
結婚式場を決めて来る、というよりは、お写真だけ撮りたいというお客様が多い印象ですね。数年前は、同性カップルはNGにしている式場も多かったですが、今はOKになっている式場もちらほら増えていると聞いています。しかし、実際に挙げている方はかなり少ない印象です。国内ではなくて、海外でやっている方が多いみたいですね。
そうなんですね。もっと同性カップルが国内でも気軽に結婚式を挙げられるようになると良いですね。
そうですね。少し余談になりますが、私はファッションが好きで、お客様に服の歴史や知識を話しながら衣装をすすめるのが好きなのですが、そんなファッション好きなドレススタイリストである私から見ても、LGBTの方は感性が優れている方がひじょうに多いように感じます。
パリコレのデザイナーの多くも同性愛者らしいですよ。イヴ・サン=ローランやジョン・ガリアーノなども同性愛者ですし、そのような有名な方々が挙式をし、その情報が世の中に広がり、「同性カップル」が当たり前の存在になれば良いなと思います。