内助の功の事例を上げたらキリがない
内助の功(ないじょのこう)とは日本の慣用句である。「家庭において、夫の外部での働きを支える妻の功績」という意味がある。(出典:Wikipedia)
「英雄の陰に、内助の功あり」とはよく言ったものです。歴史上何かの偉業を成し遂げた男性の多くは、その裏側で良妻に支えられていたという事例がいくつもあります。
例えば、日本一の出世頭である豊臣秀吉。平民出身でありながら織田信長に認められ天下統一まで果たした功績は誰しもが知るところでしょう。そしてその秀吉の成功の裏には、正妻である「ねね」の存在があったと言います。
ねねは秀吉が出世するよりも前の14歳の時に結婚をしました。当時としては珍しい恋愛結婚だったそうです。貧しい身分の時か秀吉と苦労を共にして来た糟糠(そうこう)の妻として知られています。
「芸術は、爆発だ」の言葉で有名な日本が誇る芸術家、岡本太郎さん。その成功を支えたのも、その事実上の妻である敏子さんの存在があったと言います。
他にも経営の神様である松下幸之助には松下むめのという女性の存在。ナポレオンの陰にはジョセフィーヌ、初代ローマ皇帝オクタウィアヌスの陰にはリウィア……と数え上げたらキリがありません。
内助の功はなぜうまく行くのか?
筆者は何も「男が外に出て、女は家庭を守れ」という価値観を奨励したいわけではありません。今では「専業主夫」も一般的に受け入れられるぐらいパートナーシップのあり方は多様化しています。
しかしそれでも男女には役割がある、と言いたいのです。「違いがある」ということは、そこに必ず「意味がある」ということ。その違いの意味を理解することが大事なのではないかと考えているのです。なぜ内助の功の成功事例がこんなに多いのか? その原因は「男女のエネルギーの種類の違い」にあると筆者は考えています。
男性的なエネルギーは消費と開拓のエネルギーであり、自分のもつパワーを使って何かを切り開いて行く力です。一方女性的なエネルギーは生産と庇護のエネルギーであり、何かを生み出したり癒したりする力だと言えます。
もちろん男性でも女性的なエネルギーをより多く持つ人と、女性でも男性的なエネルギーをより多く持つ人がいるので、どちらかがどちらかしか持っていないということはなく、人それぞれ持っているエネルギーに差があり得意不得意があります。
その得意不得意がうまく一致した時に、パートナーシップは相互作用を起こし、足し算ではなく掛け算となり、多くのエネルギーを生み出して行きます。それが過去の価値観では、「夫が前に出て、妻が陰で支える」事例として取り上げられていただけで、現代はその逆のパターンもあるでしょう。
エネルギーの交換をすることがパートナーシップの鍵
『男の出世は女次第。女の幸せは男次第。』この原理は、この性エネルギーの違いで説明できます。
男の出世には開拓のエネルギーを使います。しかし、開拓のエネルギーには体力と気力の磨耗が必須条件。そこに女性的な庇護のエネルギーによるサポートがあると、開拓をし続けられるのです。
そしてその女性的な庇護のエネルギーは、男性からの「愛」によって生まれてくるものなのです。なんだか宗教がかった話に聞こえるかもしれないですが、愛情を感じる男性には尽くしたくなるというのは納得感のある話ではないかと思います。
繰り返しになりますが、これは性エネルギーの問題の話ですので、妻が開拓して夫が癒すという形も全く問題ないでしょう。大事なことはエネルギーの交換をすることです。
夫婦共働きが当たり前の時代だからこそ、片方が開拓のエネルギーを使っているとしたらもう片方が癒しに入る。片方が癒してくれたら、そのお返しに愛をしっかりと行動で表現する。その連鎖を生み出して行くことが大事なのではないかと思うのです。