新型コロナウィルス感染拡大の影響で、結婚式の延期や中止を検討している新郎新婦様は日々心を痛めている事かと思います。
4月7日にも安倍総理大臣が「緊急事態宣言」を出すとニュースがありました。
さて、結婚式はどうなるのでしょうか?
自分たちの結婚式は自粛の要請にあてはまる?
緊急事態宣言が出されたからといって、日本全国の結婚式ができなくなるわけではありません。
自粛要請の対象となるには、条件があります。
1. 緊急事態宣言の「期間」と「地域」に当てはまる。
2. 該当地域の都道府県知事からの要請に、結婚式場の停止や制限、結婚式場がある地域の住民への外出の自粛要請が含まれている。
上記に当てはまった場合、結婚式が法的に自粛の要請を受けた状態になります。
契約書はどうなっている?キャンセル料はかかるの?
緊急事態宣言により結婚式を延期・中止する場合、延長料やキャンセル料はかかるのでしょうか?
契約時に取り交わした契約書に「不可抗力」という部分があったことを思い出す方も多いと思います。
しかし、これは自然災害や疫病で結婚式ができなくなっても責任を負いません、という意味で書かれています。
自然災害などによって結婚式ができるかできないかの判断や、その場合のキャンセル料などの支払いについて定めているものではありません。
今回のような、緊急事態宣言によって結婚式ができなくなった場合の対応については、一般的な契約には書かれていないのが普通です。
その場合どうすればいいのでしょうか?
契約に書かれていないことは、法律に従います。
民法の「危険負担」という法律にはこうあります。
民法 第536条
1.当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
これは、結婚式でいうならば、「結婚式場のせいでも新郎新婦のせいでもなく結婚式ができない場合は、新郎新婦はお金の支払いを拒むことができる」ということになります。
「それならキャンセル料無料、前金も全額返金でしょ!」
と思う方もいるかもしれませんが、法律は必ずしも結婚式を想定しては作られていないため、これをそのまま適用するのは難しいようです。
準備段階でサービスを受けている
たとえば、コンサートなら当日、台風などで中止になった場合、上記の法律に基づきチケットが払い戻されますが、
結婚式はコンサートなどと違い、準備の段階で費用が発生しています。
例えば、
・打ち合わせ
・試食会
などですでにサービスを受けています。
そのため、「危険負担」をそのまま適用するのが難しいのです。
結婚式場の判断による
上記の理由から、緊急事態宣言によるやむを得ない結婚式の延期・中止でも、請求が生じる場合があります。
緊急事態宣言が出される前からも、結婚式の延期や中止は相次いでおり、結婚式場や結婚サービスにより対応は様々です。
契約書どおりの金額を請求する場合もあれば、延期なら無料で対応、今までかかった実費だけ請求、キャンセル料を契約書の規定よりも減額して請求など、特別な対応をしているところも多いようです。
最後に
まずは、各対象都道府県の知事から出される要請を確認して、自分たちの結婚式が自粛の対象に当てはまるか確認しましょう。
そのうえで、延期や中止をプランナーに相談してみましょう。
今後も先が見えない状態に不安が募るかと思いますが、少しでも納得がいく結果になることをお祈りしています。
参考:ブライダル事業専門の総合法務サービスBRIGHT 「緊急事態宣言で結婚式が開催できない」場合の法律関係